参政党・神谷代表の「高齢女性は出産できない」発言が物議

参政党の神谷宗幣代表が「高齢女性は子供が産めない」と発言したことが、インターネット上で大きな波紋を広げています。「子供を産めない」「出産適齢期」といった関連ワードがトレンド入りするなど、この神谷代表の発言を巡って賛否両論が巻き起こっています。政治家によるデリケートな問題への言及が、社会的な議論を呼んでいます。

神谷代表の具体的な発言内容と背景

神谷代表は参院選公示日である3日、東京都内で行われた街頭演説の中で問題の発言を行いました。日本の人口減少問題に触れる中で、「子供を産めるのも若い女性しかいない。これを言うと『差別だ』と言う人がいるが、違います。現実です。男性や、申し訳ないけど高齢の女性は子供が産めない。だから、日本の人口を維持していこうと思ったら、若い女性に子供を産みたいなとか、子供を産んだ方が安心して暮らせるなという社会状況をつくらないといけないのに『働け!働け!』ってやりすぎちゃったわけですよ」と述べたことが報じられ、これが物議を醸すこととなりました。

神谷発言への様々な反応

事実だと擁護する声

発言に対して、インターネット上では生物学的な事実を述べたに過ぎないとして擁護する意見が多く見られました。「これのどこが問題なんだ? 高齢女性が子供を産めないのは事実だろう」「1ミリも間違ってない科学的事実でしょ?」「当たり前の事しか言ってません」「どこがアウトなのか」「科学的事実に“差別だ”は無理筋だな」といった声が上がり、発言内容そのものよりも、それに対する批判の方が不自然であるとの見方が示されました。

公人からの批判的な見解

一方で、言葉の選び方や背景への配慮を求める声も公人から上がっています。れいわ新選組の八幡愛衆院議員は自身のX(旧Twitter)に投稿し、「“高齢者は子どもを産めないという当たり前のことを言って何が悪い”と言われる方へ。出産において高齢は35歳から。若くても様々な理由で授かれない人もいるし、適齢期に焦ったり、諦めたり、辛い思いをしている人がたくさんいる事を知ってください。政治家の言葉1つで絶望も希望も生まれるのだから」と述べ、発言が個人にもたらす影響の大きさを指摘しました。また、元宝塚歌劇団で俳優の毬谷友子さんは自身のXで「怒りで震えているんですけど」と強い不快感を表明しています。漫画家の倉田真由美氏も自身のXで「内容は正しいけど言い方一つでニュアンス変わるのになあ、と思う。高齢女性のことなど言わず、真っ直ぐ『出産可能年齢の女性にしか子供は産めない』でよかった。『申し訳ないが』という言葉も余計。ただの事実なのだから」と述べ、発言の仕方に問題があったとの見方を示しました。

俳優の毬谷友子氏が神谷宗幣氏の発言にSNSで怒りを表明した際の顔写真俳優の毬谷友子氏が神谷宗幣氏の発言にSNSで怒りを表明した際の顔写真

その他の批判的な意見

このほかにも、インターネット上では発言の公共性や他者への配慮を欠いている点に対する批判の声が多数見受けられました。「そういう微妙な問題を公の場で発言する無神経さ、子供を産めないって言われる事で傷つく人がいるんだよ」「絶対に問題! 尊厳を無視して政治家出来ない!」「ほんまにひどい」など、デリケートな問題への言及方法に対する厳しい意見が多く寄せられています。

まとめ

参政党の神谷宗幣代表による「高齢女性は子供が産めない」との発言は、生物学的な事実である一方で、その表現や公共の場での発言方法を巡り、社会的に大きな議論を巻き起こしています。発言内容そのものを問題視しない意見がある一方、言葉の選び方や他者への配慮、そして出産や不妊に関する個人の多様な状況への想像力を求める声が多く上がっており、政治家の言葉が持つ影響力の大きさを改めて浮き彫りにしています。

中日スポーツ