来年7月のアメリカ建国250周年に向け、トランプ前大統領が大型イベントを発表しました。その発表の場が、大統領選挙を象徴するアイオワ州だったことから、憲法で禁じられた「3期目」挑戦への布石ではとの憶測も呼んでいます。
「アメリカの英雄」庭園計画
3日、中西部アイオワ州で開かれた建国250周年に向けた開幕イベントで、トランプ氏は来年7月4日の独立記念日に「アメリカの英雄たち」を称える国立庭園を開園すると表明しました。
ワシントンやリンカーンなど歴代大統領、キング牧師ら偉人たちの銅像に加え、エルビス・プレスリーやホイットニー・ヒューストン、フランク・シナトラら著名な歌手らの銅像も展示される予定です。
アイオワ州で建国250周年イベント発表演説を行うトランプ前大統領
異論も呼ぶイベント内容
この庭園計画には賛同の声がある一方、建国の歴史との関連が薄い芸能人が多く含まれていることへの疑問の声も出ています。
さらに、人気格闘技UFCの試合開催や、全米の高校生スポーツ大会といった、トランプ氏の支持者の関心を強く意識したとみられるイベントも発表され、「行事の私物化だ」といった批判も上がっています。
トランプ氏が発表した「アメリカの英雄たち」国立庭園計画を示す看板
アイオワ開催が呼ぶ憶測
今回の記念行事が、共和党と民主党が大統領候補者を選ぶ最初の州であるアイオワ州で開かれたことから、トランプ氏が憲法で禁止されている3期目へのアピールを意識したのではないかとの憶測が広がっています。
会場には、次の2028年の大統領選挙でのトランプ氏支持を呼び掛けるグッズを身に着ける人も見られ、参加者からは「史上最高の大統領を応援に来た。3期目をやってほしい」との声も聞かれました。
イベント会場近くでトランプ氏の3期目挑戦に反対する集会参加者
分断浮き彫り
一方、イベント会場近くでは、政権への反対集会が開かれ、「3選は違法です」「これまでの歴史を見ても、トランプはすべてを自分のために行いました」といった批判の声が上がりました。
国の一体感を高めるはずの建国250年イベントを巡っても、アメリカ社会の根深い分断が改めて浮き彫りとなっています。
[出典] TBS NEWS DIG Powered by JNN