参院選終盤:参政党、芝公園で2万人集め躍進訴え

参院選の投開票を翌日に控えた19日、東京・芝公園にて、参政党が最後の街頭演説を行い、その熱気は尋常ではなかった。日本人ファーストを掲げ、今回の参院選での著しい躍進が各方面で報じられる参政党。東京選挙区候補のさや氏(43)や神谷宗幣代表(47)らが支持者約2万人を前に、最後の訴えを展開した。会場は、その政策に共鳴する人々だけでなく、一部の「アンチ」と呼ばれる抗議活動を行う人々で埋め尽くされ、異様な熱気に包まれた。

参議院選挙前夜、東京・芝公園での参政党最終演説会にて、マイクを握る神谷宗幣代表(左)と候補者のさや氏。参議院選挙前夜、東京・芝公園での参政党最終演説会にて、マイクを握る神谷宗幣代表(左)と候補者のさや氏。

決戦前夜の熱気:芝公園に集結した支持者と高まる期待

関東甲信越地方が梅雨明けし、うだるような猛暑の中、芝公園には約2万人の有権者が参政党の最終演説を聴くために集結した。会場の熱気は気温以上に高まり、聴衆は演説の一言一句に耳を傾けた。元航空幕僚長の田母神俊雄氏や経済評論家の三橋貴明氏らが応援演説に駆けつけ、会場のボルテージを一層高めた。比例代表候補者たちも登壇し、政策や思いを熱く語った。

さや氏の訴え:次世代へ繋ぐ「日本人ファースト」の政治

比例代表候補者の後、東京選挙区に立候補しているさや氏が登壇。「私たちは経済効率ばかりを追求し、本当に大事なことを見過ごしてきました。その結果、経済そのものも失っているのです」と現状を憂い、「先人の声、声を上げられない子どもたちの声、そしてこれから生まれる次の世代の声、全てを救い上げる政治が必要」と力強く訴えた。朝日新聞社の情勢調査(13、14日実施)では、定数7議席を32人が争う東京選挙区で、さや氏が他候補をリード。演説の締めくくりには「今日という日を絶対に忘れません。今までで一番幸せな日です。明日必ず勝利を手にし、私を皆さんの『お母さん』にしてください。日本人のために働くお母さんとして全力を尽くします」と感情を込めて語り、会場を感動で包んだ。

神谷代表が描く未来:目標20議席と日本を変える具体的政策

マイクを握った神谷宗幣代表は、参政党の目標議席数について「明日、我々は20議席の獲得を目指します」と宣言。各種報道や取材を総合すると、参政党は比例代表と選挙区を合わせ、既に15議席程度の獲得が確実視されている。非改選の1議席を加えれば、総勢20議席弱となる見通しだ。神谷代表は選挙期間中、当初「6」だった目標議席を「20」に、さらに予算を伴う法案提出が可能な「21議席」に向けて修正していたことを明らかにした。神谷代表が「コロナ政策の見直し法案や、自民党が進める憲法の緊急事態条項を阻止したいと思いませんか。これ以上の増税は望まないでしょう? そういったことを我々は実現したい」と述べると、会場からは割れんばかりの拍手と歓声が沸き起こり、支持者の熱い期待が伝わってきた。

結び

参院選の投開票を目前に控え、参政党は芝公園での最終演説会でその存在感と勢いを改めて示した。多数の支持者が集い、熱気に満ちた会場からは、彼らが掲げる「日本人ファースト」の理念や具体的な政策、特にコロナ対策の見直し、憲法改正、増税反対に対する強い共鳴が感じられた。情勢調査で伝えられる躍進は、有権者の間に既存政治への不満と新たな選択肢への期待が高まっていることを示唆している。今回の参院選が、日本政治の新たな局面を切り開く可能性を秘めていると言えるだろう。

参考文献

  • 朝日新聞社情勢調査(2025年7月13、14日実施)
  • 各種報道機関の報告および関連取材