有働由美子アナ、選挙特番での発言が波紋 「ジャーナリスト」転身後の立ち位置に疑問符

7月20日に放送された参議院選挙の報道特別番組『選挙ステーション2025 & 有働Times』(テレビ朝日系)において、フリーアナウンサーの有働由美子の発言が大きな議論を巻き起こしています。選挙戦の白熱した模様が伝えられる中、彼女の質問が視聴者の間で賛否両論を呼んでいます。

選挙特番に出演し、発言が物議を醸したフリーアナウンサーの有働由美子選挙特番に出演し、発言が物議を醸したフリーアナウンサーの有働由美子

参政党代表への「際どい質問」の波紋

今回の議論の発端となったのは、有働がMCを務める『有働Times』に、参政党の神谷宗幣代表が中継で出演した際のやりとりです。参政党の公式ホームページには、核に対するスタンスとして「今の日本を守るために、核保有国に核を使わせない抑止力を持つ」と記載されており、番組内では「抑止力」に関する話題が中心となりました。

有働は神谷代表に対し、「抑止力とは具体的にどのようなものか?」と質問。これに対し神谷代表は、「わが国はアメリカの核の傘の下にあるといわれるが、その実効性は不たしかなので、わが国も実際に、ニュークリアシェアリング(核共有)という形か、核とは違う兵器を作るのか、選択肢を出しながら議論をしていくことが大事」と回答しました。有働はさらに核以外の抑止力に関する「際どい質問」を重ね、具体的な政策について問い詰めました。

参政党の公約に深く切り込む有働の姿勢に対し、X(旧Twitter)上では「私が知りたいことをたくさん質問してくれた」「有働さん、すごいな」といった賛同の声が上がりました。一方で、「NHKにいたほうが良かった。何を聞きたいのかよくわかんない!」「有働さんの質問偏りすぎてるし、態度悪いし、ガッカリした」など、違和感を抱く声や批判的な意見も見受けられ、その発言は視聴者の間で賛否両論を巻き起こす事態となっています。

「ジャーナリスト宣言」から「エンタメ路線」へ?有働アナのキャリア変遷

長年にわたりNHKのアナウンサーとして活躍してきた有働ですが、2018年にNHKを退職して以降はフリーアナウンサーとして活動しています。独立から7年が経ち、その仕事内容には変化が見られるようです。

退職発表の際、有働は「今後、有働由美子という一(いち)ジャーナリストとしてNHKの番組に参加できるよう精進してまいります」とコメントし、「ジャーナリスト宣言」をしていました。実際、2018年10月からは『news zero』(日本テレビ系)のメインキャスターに抜擢され、報道番組を主軸に活動していくものと思われていました。

しかし、2024年3月に同番組を卒業した後、翌月からは音楽番組『with MUSIC』(日本テレビ系)のMCに起用されました。また、同年10月からスタートした『有働Times』も、話題の映画やヒット曲ランキングなどのコーナーが多く、昼の情報番組のような要素が強いことを指摘する声も上がっていました。近年の有働がエンターテインメント路線寄りにスライドしているように見えるためか、今回の選挙特番での彼女の「立ち位置」に疑問を持たれたのかもしれません。

新番組と事務所移籍に見る有働アナの「苦戦」と未来

『with MUSIC』は有働がMC、俳優でシンガーソングライターの松下洸平がアーティストナビゲーターを務め、土曜日の夜8時に放送されていました。しかし、今後の懸念も指摘されています。

2025年4月からは、放送時間が土曜日の夜10時に移行し、『バイきんぐ』の小峠英二が新たにレギュラーメンバーに加わりました。夜遅い時間帯になったことで、ゆっくり視聴できるようになったと歓迎する声もある一方で、わずか1年でゴールデンタイムから外れ、新メンバーを加えてテコ入れを図るなど、有働がMCを務める番組が「苦戦を強いられている」という印象を受ける視聴者もいます。

NHK退職から7年が経過し、最近では所属事務所の金銭トラブルから新事務所に移籍したばかりという、バタバタとした状況が続いています。フリーアナウンサー、そしてジャーナリストとして、有働由美子が将来、どのようなキャリアを思い描いているのか、その動向が注目されます。

参考文献