参政党とTBS「報道特集」の対立深まる:BPO申立と報道の公平性

TBS系報道番組「報道特集」の公式X(旧ツイッター)が24日に更新され、26日の放送で「参政党の”メディア排除”を問う」との特集を組むことが告知された。これは、先の参院選で大躍進を遂げた参政党が、選挙後に一部の報道機関に対して会見取材を拒否している状況に焦点を当てたものだ。公共の党としての活動と報道機関の役割を巡る議論が深まっている。

参政党がTBS番組に抗議:外国人政策特集の公平性を問う

今回の特集告知に先立ち、参政党は7月12日に放送された「報道特集」の「争点に急浮上~外国人政策に高まる不安の声」という特集に対し、TBSへ厳重に抗議し、訂正等を求める申入書を提出していた。参政党側は、この番組内容が「選挙報道として著しく公平性・中立性を欠く」と主張。番組の構成、表現、登場人物の選定などが放送倫理に反すると指摘し、TBSの対応を問題視している。参政党は、メディアによる特定の政治勢力への「排除」行為が疑われる事態に対し、強い懸念を表明している。

TBS本社ビル外観。報道特集と参政党のメディア問題に関連する情景。TBS本社ビル外観。報道特集と参政党のメディア問題に関連する情景。

TBSの見解とBPOへの申立

「報道特集」は公式サイトで番組名義の見解を公表し、今回の特集は「参政党が支持を伸ばす中、各党も次々と外国人を対象とした政策や公約を打ち出し、参院選の争点に急浮上していることを踏まえ、排外主義の高まりへの懸念が強まっていることを、客観的な統計も示しながら、様々な当事者や人権問題に取り組む団体や専門家などの声を中心に問題提起したものです」と説明している。番組側は、この報道には有権者に判断材料を示す「高い公共性、公益性がある」と反論。しかし、参政党側はこの見解に不服を表明し、「当党と放送事業者との間で、BPO放送人権委員会の申立要件にあたる「相容れない状況」が生じた」と判断し、正式にBPOへの申立てを行うことを表明するに至っている。

選挙特番での議論:太田光氏と神谷代表、山本アナを巡る問題

さらに、7月20日に放送されたTBS系選挙特番では、スペシャルキャスターを務めた爆笑問題の太田光氏と参政党の神谷代表との間で、この問題に加え、番組キャスターの山本恵里伽アナウンサーの意見表明を巡るSNS上での個人攻撃についても議論が交わされた。この一幕は、政治とメディア、そしてSNSが絡み合う現代の複雑な情報空間における、表現の自由と責任、そして公正な報道のあり方について改めて社会に問いかける機会となった。なお、「報道特集」は19日、「音楽の日」特番のため休止されていた。

今回の参政党とTBS「報道特集」を巡る一連の動きは、政治報道における公平性・中立性の確保、メディアアクセスの問題、そしてBPOという第三者機関の役割の重要性を浮き彫りにしている。今後の動向は、日本の政治とメディアの関係、そして国民の知る権利に大きく影響を与えるものとして注目される。

参照元: Yahoo!ニュース