伊東市長・田久保真紀氏、学歴詐称疑惑渦中で続投表明 – 市民と議会の反応は

静岡県伊東市の田久保真紀市長(55)を取り巻く状況が、急展開を見せている。市の広報紙などに「東洋大学法学部卒業」と記載しながらも、実際には「除籍」処分を受けていたとされる学歴詐称疑惑が報じられる中、田久保市長は7月31日夜の定例会見で、辞職を否定し続投の意向を明確に示した。市長は「市民の皆さんが勝ち取った改革の道筋の過程であり、山積する問題への改革の道は始まったばかりです」と述べ、自身の市政継続への強い決意を表明した。

これまで、疑惑解明のために設置された百条委員会への出席を拒否し、「7月中には辞職する意向」を示唆していた田久保市長だが、この会見をもって一転、続投の姿勢に舵を切った形だ。

疑惑の経緯と市長の「続投」表明の背景

全国紙社会部記者によると、田久保市長は自身の当選を「市民が勝ち取った改革への道」と表現し、現在も多くの支持の声が寄せられていることを強調。辞職しない理由については、公約である「新図書館の建設中止」と「伊豆高原のメガソーラー計画の撤回」を実現することが自身の使命だと語った。また、大学を除籍になった経緯についても、今後明らかにしていく意向を示している。

学歴詐称疑惑の渦中にある伊東市の田久保真紀市長学歴詐称疑惑の渦中にある伊東市の田久保真紀市長

市議会の強い反発と市民の複雑な声

市長の続投表明は世間を驚かせたが、地元関係者の間では、すでに市長が辞任する気はないと見越していた者も少なくなかったようだ。伊東市議会の中島弘道議長と青木敬博副議長は、会見に先立つ29日の取材に対し、「(辞任しない場合)覚悟を決めなければならない」と語っており、不信任決議案の提出も辞さない構えを見せている。

一方で、会見で田久保市長は「がんばって」「負けないで」といった支援の声が多く寄せられているとも話した。市議会内では四面楚歌の状態にある市長だが、市民の中には彼女を応援する声も少なからず存在していることが伺える。

実母が語る田久保市長の人物像

渦中の田久保市長を“一番の味方”として支える実の母親は、この騒動について次のように語った。「詳しいことは分からないけれど、娘にも悪いところはある。ただ、卒業証書を“偽装”するような人間ではないとだけは言っておきます。ああ見えてね、正義感が強い子なの」。母親は、最近、中国人が海沿いのペンションを買い占め、バーベキューで騒がしい状況に対し、街の人々から助けを求められた娘が、単身で2度も乗り込んでいったエピソードを明かした。

もし辞任した場合に実施されるとされていた“出直し選挙”への意欲についても、母親は言及。「すごく出たいわけじゃないけど、『推してくれる人がいるから、責任がある』って。私は『お金もかかるしみっともないからやめなさい』って言っているんだけどね。今でも支援してくれる人は多いのよ」。

会見で「茨の道であることは重々承知している。結果でお返ししたい」とやや言葉を詰まらせながらも、市長としての責務を全うする考えを示した田久保市長。母の信頼に応え、市政の難局を乗り越えることができるのか、今後の動向が注目される。