タレントのIMALUさん(35)が芸能界デビューしてから16年が経過した。お笑い芸人・明石家さんまさんと女優・大竹しのぶさんの長女として生まれた彼女は、人知れず悩みを抱え、葛藤を抱えて過ごした時期があったという。今回は、IMALUさんが自身の半生を振り返り、両親に対して抱く特別な思い、そして自己を確立するまでの道のりを深掘りする。彼女が経験した数々の出来事、特に海外での生活が、どのように彼女の「自己肯定感」を育んだのかを探る。
デビューから16年、明石家さんまさんと大竹しのぶさんの長女として芸能界で活躍するIMALUさん。自身の半生と葛藤を語る。
「特別扱い」から遠い公立小学校でのびのびと育つ
幼い頃から両親が国民的スターであるIMALUさんに対し、多くの人々は彼女が私立小学校に通っていたと想像しがちだ。しかし、彼女は公立の小学校に通っており、その事実に驚く声も少なくないという。IMALUさんは、この公立学校での経験が自身にとって「すごく良い環境だった」と振り返る。親が芸能人だからといって特別扱いされることもなく、友達の社宅や公園で鬼ごっこをするなど、ごく普通の子供時代を過ごした。現在も小学生の時に知り合った友人とは親交が深く、地元のコミュニティーに自身の居場所があると語る。幼少期から「芸能人だから特別」という感覚を持つことはなかったという。
一方で、入学式では「さんまさんの子どもが来る」という周囲の大人たちの視線を強く感じたことや、名前が呼ばれた際に会場がざわついた記憶もある。運動会にメディアが訪れたり、自宅前に芸能リポーターがいて「お母さんいる?」と尋ねられたりといった経験も過去にはあった。しかし、子供同士の関係性において嫌な思いをすることはなく、自身だけが芸能人の子供だからといって嫌だと感じたことはなかったと明かす。
違和感が芽生えた家庭環境と「主張する人間」への憧れ
小学生の頃から、IMALUさんは海外のアーティストや映画に強い憧れを抱いていたという。特に、海外の授賞式でアーティストがスピーチを通して政治的な主張を発信する姿に感銘を受け、「私もこうなりたい」と幼心に感じていた。この思いには、彼女の家庭環境も大きく影響していたと語る。両親が多くの人に囲まれて仕事をしている中で、芸能関係者やスタッフが両親に気を遣う様子を目の当たりにし、特に父親が席を立つと周囲がすぐに立ち上がって見送る姿に、当時のIMALUさんは「なんで、お父さんを特別扱いするんだろう」と違和感を抱いたという。父親が帰った後、周囲が安堵の表情を見せるのを見て、「こういう大人にはなりたくない」と感じたこともあったと笑いながら話す。
もちろん、今となっては目上の人への気遣いや社会的な振る舞いの重要性を理解し、自身もそういった行動をとるという。しかし、当時は幼かったこともあり、自身の意見を貫く「主張を突き通す人間」になりたいという強い思いから、海外への留学を決意した。この決断に迷いは一切なかったという。
人生の転機となったカナダでの3年間:本当の自分を見つける
カナダで過ごした3年間は、IMALUさんにとって「メチャメチャ楽しかった」という。環境、文化、そして言葉が異なる場所に身を置き、誰も両親のことを知らない世界は、彼女にとって非常に生きやすかったと語る。また、教育の違いも強く感じたという。現地の先生が頻繁に「あなたはどう思う?」と生徒に意見を求める姿勢が印象的で、生徒たちは皆、自分の意見をしっかりと持っていた。
元々、人前で話すのが得意ではないシャイな性格だったというIMALUさんだが、カナダではそんなことを言っていられない状況だった。自分を理解してもらうためにも、積極的にコミュニケーションを取る姿勢へと変化していった。彼女は、この高校時代が「人生のターニングポイントだった」と断言する。もし日本に留まっていたら、無意識のうちに両親の存在を気にしながら生き続けていただろうと語り、カナダに行かなければ「また違った人間だっただろうな」と、その経験の重要性を強調した。
カナダ留学を経て自己を確立したIMALUさんが、愛犬と共にSUPを楽しむ開放的な姿。
IMALUさんの半生は、明石家さんまさんと大竹しのぶさんの娘という宿命的な環境の中で、自身のアイデンティティを模索し、確立していく物語である。特にカナダでの留学経験は、彼女が親の七光りではない「一人の人間」として、自己を認識し、自信を育む上で決定的な役割を果たした。公立学校での「普通」の経験から、海外での「自由」な自己表現、そして「自己肯定感」の獲得へ。彼女の軌跡は、特別な境遇に生まれた人々だけでなく、誰もが自身の価値を見つけ、自分らしく生きるためのヒントを与えてくれる。
参考文献
- Yahoo!ニュース (2025年8月2日). 「IMALU、デビュー16年 明石家さんま&大竹しのぶの娘の“悩み”「なんで特別扱いするんだろ」 海外留学で感じた生きづらさの解消」. https://news.yahoo.co.jp/articles/36f0fc4b11e7f93ddfc082bb40e9907f73e1a02a