夏休み期間中、韓国・江原道平昌(カンウォンド・ピョンチャン)の高速道路サービスエリア(SA)で販売された1万6900ウォン(約1800円)のカルビタンが、その高額な価格に見合わない「粗悪品」であるとして、旅行客からの批判が殺到し、大きな波紋を呼んでいます。この問題は、7月28日に旅行中の男性がオンラインコミュニティに写真付きで投稿したことで一気に拡散し、韓国のサービスエリアにおける食事の品質問題が改めて浮上しました。
1万6900ウォンのカルビタン、その衝撃的な実態
投稿された写真と共に男性が明かしたカルビタンは、通常の澄んだスープとは異なり、錦糸卵やナツメ、ネギ、ゴマといった見慣れない具材が大量に載せられていました。しかし、問題はメインのカルビにありました。カルビは白い脂肪の塊がほとんどで、江原道名物のイカを思わせるほど。さらに、筋処理が全くされておらず、噛み切ることができない状態だったといいます。男性は、提供されたカルビタンの脂肪の塊をハサミで切り分け、結局全て捨てる羽目になったと憤りを露わにしました。男性は、不自然なほど多くの具材が、質の悪いカルビを隠すために載せられていたのではないかと推測しています。彼は「家族と楽しもうと高価なカルビタンを選んだのに、まるで背後から殴られた気分だった」と語り、深い失望を表明しました。
韓国の高速道路サービスエリアで提供された、脂肪の塊が多く「粗悪品」と批判されたカルビタンの写真。
ネットユーザーからの厳しい批判と背景
男性の投稿に対し、韓国のネットユーザーからは瞬く間に批判の声が相次ぎました。「SAでは食事をせず、トイレ利用とゴミ捨てだけにとどめるべきだ」「SAの一部店舗では、売り上げの50%が手数料として徴収されるため、このような品質になるのだ」といった、サービスエリアのビジネス構造に対する指摘や、利用を控えるよう促すコメントが多数寄せられました。これらの意見は、単なる一品メニューの不満に留まらず、韓国の高速道路サービスエリア全体の食に対する不信感の表れとも言えます。
相次ぐ「粗悪品」騒動、消費者信頼の危機
今回のカルビタン問題は、韓国のサービスエリアにおける品質低下の単発的な事例ではありません。今月23日には6000ウォン(約640円)のキンパ(韓国海苔巻き)が「コンビニのキンパの方が100倍マシ」と酷評され、先月には1万1000ウォン(約1200円)のトンカツが「まるで魚の干物を揚げたもののようだ」と揶揄される騒ぎがあったばかりです。このように、高額にもかかわらず品質の低いメニューが相次いで問題視されており、消費者の信頼は大きく揺らいでいます。旅行客が楽しみにしている食事体験を裏切る現状は、サービスエリア運営側にとって早急な改善が求められる喫緊の課題となっています。
参考資料
(c)KOREA WAVE/AFPBB News