貯蓄額のリアル:年代別・世帯別の平均値と中央値(J-FLEC調査)

金融経済教育推進機構(J-FLEC)が発表した「家計の金融行動に関する世論調査 2024年」によると、日本の貯蓄額は年代が上がるにつれて増加し、単身世帯より二人以上世帯で多い傾向が明らかになりました。本記事では、この信頼できる調査データに基づき、単身世帯と二人以上世帯それぞれの貯蓄額の平均値と中央値を詳しく分析し、日本社会における貯蓄の実態を解説します。

貯蓄の重要性を示す、小銭貯金箱を持つ手のイメージ。日本の家計における貯蓄額の傾向を表す。貯蓄の重要性を示す、小銭貯金箱を持つ手のイメージ。日本の家計における貯蓄額の傾向を表す。

単身世帯の貯蓄額:年代ごとの実態と背景

金融経済教育推進機構(J-FLEC)の「家計の金融行動に関する世論調査 2024年」が示す単身世帯の貯蓄額の平均値と中央値は以下の通りです。

  • 20歳代:平均値161万円・中央値15万円
  • 30歳代:平均値459万円・中央値90万円
  • 40歳代:平均値883万円・中央値85万円
  • 50歳代:平均値1087万円・中央値30万円
  • 60歳代:平均値1679万円・中央値350万円
  • 70歳代:平均値1634万円・中央値475万円

このデータは、年代が上がるにつれて貯蓄額が増加する傾向を示しています。これは、キャリアの成熟とともに収入が安定・増加することに加え、特に60歳代以降では住宅ローンの完済や子どもの独立による教育資金の負担軽減、さらには退職金の支給などが貯蓄額増加に大きく寄与しているためと考えられます。

二人以上世帯の貯蓄額:単身世帯との比較と要因分析

次に、二人以上世帯の貯蓄額の平均値と中央値をJ-FLECの調査データから確認しましょう。

  • 20歳代:平均値383万円・中央値84万円
  • 30歳代:平均値677万円・中央値180万円
  • 40歳代:平均値944万円・中央値250万円
  • 50歳代:平均値1168万円・中央値250万円
  • 60歳代:平均値2033万円・中央値650万円
  • 70歳代:平均値1923万円・中央値800万円

二人以上世帯は全ての年代で単身世帯よりも貯蓄額が大幅に高く、特に共働き世帯の増加が「2馬力」での収入確保を可能にし、貯蓄を加速させています。子どもの人数や生活水準も貯蓄額に影響を与えますが、夫婦双方の収入があることで、より計画的かつ効率的な資産形成が可能になっている状況が明確に示されています。

J-FLECの調査から、貯蓄額は年代とともに増加し、二人以上世帯が単身世帯を上回る傾向が明らかになりました。自身の貯蓄状況を客観的に把握し、収入増加と支出削減を意識した計画的な家計管理を通じて、将来に向けた確実な資産形成を目指しましょう。

参考資料

  • 金融経済教育推進機構(J-FLEC)「家計の金融行動に関する世論調査 2024年」