HYBEパン・シヒョク議長、不正疑惑も株式資産が1.2兆ウォン増加し国内9位に浮上

韓国の大手芸能事務所HYBEのパン・シヒョク議長が、不正取引疑惑が取り沙汰される中でも、過去1年間で保有株式資産を1兆2086億ウォン(約1300億円)増加させたことが明らかになりました。これはエンターテインメント株やAI関連銘柄の好調に支えられたもので、経営者のリスクすら株価の上昇を抑えきれなかったとの分析が出ています。

株式資産の驚異的な増加と市場分析

金融情報会社エフアンドガイドが7日に発表したデータによると、5日時点でパン・シヒョク氏は国内株式資産ランキングで堂々の9位に浮上しました。彼が保有するHYBE株の価値は3兆4456億ウォン(約3700億円)に達しており、これは1年前と比較して54.03%という驚異的な増加率を示しています。

HYBEパン・シヒョク議長が不正取引疑惑に直面しながらも株式資産を大幅に増加させたHYBEパン・シヒョク議長が不正取引疑惑に直面しながらも株式資産を大幅に増加させた

この資産増加の背景には、BTS(防弾少年団)のフルメンバーとしての活動再開への期待感が高まったことに加え、韓国のエンターテインメント株が米国の対韓関税回避の「無風地帯」として投資家の注目を集めたことがあります。これらの好材料が重なり、最近浮上している不正取引疑惑の影響すら株価の上では打ち消された形です。

深刻化する不正取引疑惑の経緯

しかし、パン・シヒョク氏を取り巻く状況には、看過できない不正取引疑惑が存在します。彼は2019年のHYBE新規株式公開(IPO)過程において、既存株主に対し「上場の予定はない」と伝えていたとされます。この情報を信じた一部のベンチャーキャピタルなどの機関投資家は、保有していた株式を私募ファンドに売却しました。

ところが、パン・シヒョク氏はこの私募ファンドと、売却益の30%を分け合う契約を密かに締結していたとされ、これにより約4000億ウォン(約430億円)の個人利益を得ていたと指摘されています。この件を巡っては、金融委員会傘下の証券先物委員会がパン・シヒョク氏を検察に告発。現在は金融監督院特別司法警察(特捜)が本格的な捜査を進めており、今後の展開が注目されます。

国内株式資産トップとの比較

韓国国内の株式資産ランキングでは、サムスン電子のイ・ジェヨン(李在鎔)会長が依然としてトップに君臨しています。彼は5社合計で16兆874億ウォン(約1兆7300億円)の資産を保有しており、前年比で12.16%(1兆7436億ウォン)増加させています。パン・シヒョク氏の資産増加率がイ・ジェヨン会長を大きく上回っている点は、HYBEというエンタメ企業の成長性と市場の期待値を如実に示していると言えるでしょう。

まとめ

HYBEのパン・シヒョク議長は、深刻な不正取引疑惑を抱えながらも、BTSの活動再開期待や韓国エンタメ株の好調を背景に、その株式資産を大幅に増加させ、国内富豪ランキングで上位に食い込みました。彼の資産の急増は市場の強い期待を反映していますが、同時に進行中の法的捜査が、今後のHYBEの経営やパン・シヒョク氏自身の評価にどのような影響を与えるのか、引き続き注視が必要です。

参考文献

  • KOREA WAVE/AFPBB News (2025年08月08日)