「今日はもうダメだ」と感じた日:精神科医Tomyが語る「心の震度」と回復への道

私たちは誰もが、悩みや不安が尽きない日々を送っています。時には、夜寝る前に嫌なことを思い出してしまい、なかなか眠りにつけないといった経験もあるでしょう。そんな心の状態に寄り添い、具体的な対処法を教えてくれるのが、33万部を突破したベストセラーシリーズの原点である『精神科医Tomyが教える 1秒で不安が吹き飛ぶ言葉』(ダイヤモンド社)です。自身の経験から培われた説得力のある言葉は、落ち込んだ心に優しく語りかけ、まるで“言葉の精神安定剤”のように気分をすっきりさせ、その日一日を楽にしてくれます。

辛くてもうどうしようもない日の対処法

「辛くて辛くて、もうどうしようもない」と感じる日には、その辛さのレベルに応じた適切な対処法をとることが重要です。気晴らしをする、ゆっくり休む、人に話すなど、様々な方法がありますが、何よりも大切なのは、まず自分の心の状態を正確に理解することから始まります。

自身の「心の震度」を理解する

精神科医Tomyは、その日の「嫌なことのレベル」を地震の「震度」に例えて表現しています。たとえば、寝つきが悪くなりそうだと感じたり、いつもよりイライラしやすいと感じたりするような「心の震度1」程度の状態であれば、放っておいても自然と落ち着くことが多いものです。

「震度2」であっても、その日のうちに回復できることがほとんどでしょう。しかし、「震度3」や「震度4」になると、不安が大きくなったり、夜眠れなくなる可能性が出てきます。このような状況では、「今日は少し予定を減らしてみよう」「誰かに少し愚痴を聞いてもらおう」といった、比較的軽い対策を講じることで気持ちが楽になります。

「心の震度7」の日に必要な「諦め」の力

一方で、「今日はもうダメだ……」と完全に心が折れてしまうような「震度7」レベルの日もあります。このような極限状態では、無理になんとかしようとせず、まず「今日は本当にひどいことが起きたんだ」と、自分の状態を正しく認識し、受け入れることが非常に大切です。自分の心の状態を誤解したまま、「震度3」や「震度4」のときと同じ対策をとろうとすると、うまくいかないばかりか、かえって気持ちがこじれてしまうこともあります。

辛い日々に俯き、精神的な疲労を感じる人の姿。心のケアの重要性を示唆するイメージ。辛い日々に俯き、精神的な疲労を感じる人の姿。心のケアの重要性を示唆するイメージ。

「ダメな日」と割り切り、自分を守る

心が「震度7」の状態にある日は、「今日中に気持ちを立て直そう」と無理に考える必要はありません。それよりも、「今日はもうどうしようもない」と潔く諦めることが、結果的に自分自身の心を守ることに繋がります。「掃除をして気分を変えよう」と思っても、このような状態ではなかなかうまくいかないことのほうが多いのです。そんなときは、「今日は眠れないかもしれない」「今日はイライラが続くかもしれない」と、いっそ開き直ってみるくらいの気持ちでいると良いでしょう。

何もできなくてもいいんです

何もしたくない日は、好きなことをしてもいいですし、好きなことをする気になれないのであれば、何もしなくて構いません。ただゴロゴロして過ごしたり、誰にも迷惑がかからない範囲で泣いたり騒いだりしても良いのです。体を壊さない程度であれば、お酒を飲んでも問題ありません(ただし、依存傾向がある方は注意が必要です)。

明日はきっと今日より良い日になる

どうしようもなく辛い日は、すぐには癒えません。しかし、時間が経てば、少しずつ気持ちが楽になっていきます。「明日があるさ」という歌があるように、そうした気持ちで「今日はもうダメでも、明日には少しマシになっているかもしれない」と信じてみてください。

人間の心は意外と丈夫である

精神科医Tomy自身も、「あのときは本当に辛かったな」と思う日がいくつもあると語っています。しかし、そうした困難な日を乗り越えた経験が、今の自分の土台になっていると感じることもあるそうです。人間の心は、私たちが思っている以上に丈夫なものです。ただし、それは自分の好きなタイミングで回復してくれるわけではありません。だからこそ、焦らずに、心の自然治癒力に身を任せてみることが大切なのです。

今日は「諦めていい日」にしましょう

無理に頑張る必要はありません。「今日はもうダメだな」と呟いて、何もしないでゆっくり休むことも、立派な自分を守る行動です。自分を大切にすることが、長い目で見て心の健康を保つために最も重要なことなのです。


参考文献

  • 『精神科医Tomyが教える 1秒で不安が吹き飛ぶ言葉』(ダイヤモンド社)

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