日米「相互関税」問題:赤沢大臣、米の「適時修正」方針発表も残る懸念

経済再生担当大臣の赤沢亮正氏は、トランプ政権下の「相互関税」に関する米大統領令について、アメリカ側が「適時」修正する方針を示し、払いすぎた関税は返還されると表明しました。しかし、具体的な修正時期は不明で、日米間の貿易問題に対する今後の動向に注目が集まります。

赤沢大臣の訪米と「相互関税」協議の進展

赤沢大臣は、自身のSNSで「大親日家のベッちゃん」ことベッセント財務長官や、ラトニック商務長官との会談を公開しました。これらの会談は、日米合意の内容が反映されず15%の「相互関税」が上乗せされる大統領令の修正を求めた後に実施されたものです。大臣は「過去一貫して相互関税に係る合意の内容についての日米間の認識に齟齬はありません」と強調しています。

赤沢経済再生担当大臣とベッセント財務長官の会談の様子、相互関税修正を協議赤沢経済再生担当大臣とベッセント財務長官の会談の様子、相互関税修正を協議

米側の具体的な対応方針と関税の動向

会談の結果、アメリカ側は大統領令を「適時」修正する方針を示したと赤沢大臣は明らかにしました。「相互関税」の負担を軽減する特例措置が適用されなかったことについては、米側から「遺憾の意」が示されたとのことです。さらに、措置の未適用で過払いとなった関税については、遡って返還する方針が示されました。加えて、自動車関税も相互関税に関する大統領令修正と同時期に、従来の27.5%から15%へ引き下げられる意向が示されたと報じられています。

合意文書不作成への懸念と大臣の見解

一方、記者団から合意文書を作成しなかったことについて問われた赤沢大臣は、「特に瑕疵や反省点はございません。『共同文書を作成していないから何か起きた』というようなのは、私は全く理解ができない」と反論しました。その上で、「常識的に考えてください。日本に都合の良い関税率を記載した合意文書を米側が署名すると思いますか」と説明しました。しかし、日本では立憲民主党の笠浩史国対委員長が「すでに実害も出ている」と述べ、国会での大臣の説明と質疑の必要性を訴えるなど、懸念の声が上がっています。

このように、日米間の「相互関税」を巡る問題では、米側の修正方針が示されたものの、その具体的な実施時期は依然として不透明です。日本の産業界や政界からの懸念が募る中、今後の動向に引き続き注目が集まります。

情報源: TBS NEWS DIG Powered by JNN / TBSテレビ