横浜市内の小学校教員である小瀬村史也容疑者(37)が、女子児童を無断で撮影し、その画像や動画を「教師グループ」と称するSNSに投稿したとして6月23日に逮捕されて以来、この事件は社会に大きな波紋を広げています。多数の教員が関与していたとされるこの“盗撮愛好家”グループの実態が明るみに出たことで、教育現場への信頼が揺らぎ、多くの批判を浴びています。事件発覚からおよそ1ヶ月後、捜査は新たな局面を迎えました。
再逮捕と新たな容疑の全貌
大手紙社会部記者によると、性的姿態等撮影処罰法違反で既に起訴されていた小瀬村容疑者は、7月22日に再逮捕されました。捜査関係者の情報では、新たに児童への不同意わいせつや、児童買春・ポルノ禁止法違反の疑いがかけられており、翌23日には検察へ送致されています。警察の確認によると、これらのわいせつ行為に関する動画も保存されていたとのことです。
グループ内で共有されていたのは、低学年の女児を中心に約70点にも及ぶ映像や画像でした。驚くべきことに、これらのほとんどが教師らが業務中に撮影したものだったとされています。具体的な撮影方法は不明ながらも、小瀬村容疑者らが教鞭をとる傍らで、日常的に児童を狙う“機会”をうかがっていたことが強く示唆されます。容疑者を知る学区内の自治会関係者は、「(盗撮の)チャンスはいくらでもあったでしょうね」と明かしています。
女児への不同意わいせつ容疑で再逮捕された横浜市の小学校教員、小瀬村史也容疑者(37)の顔写真
日常に潜む盗撮の機会
前述の自治会関係者は、小瀬村容疑者と業務上のやり取りがあり、顔と名前を覚えていたと証言しています。「何度か直接会ってもいるんですが、よくタブレットで子どもたちを撮っている印象があります」と語る関係者。「昨年9月に地区の集まりがあり、先生はそのとき2年生を引率していらしたんですが、ずっと子どもを撮っていたので、そういう係なのかと思っていました。私がラジオ体操の来賓として学校に行った時も、小瀬村先生がタブレットで体操する子どもを撮影していましたね。まさか教師が盗撮するなんて誰も思っていないけど、撮影係であればいくらでもそういうチャンスはあったでしょうね……」と、当時の状況を振り返りました。
横浜市の緊急対応と保護者の不安
事件後、横浜市は市内約500校に対し、校内における不審な機器設置の有無などを点検するよう緊急指示を出しました。さらに、性被害対策を検討するため、専門家により構成された第三者委員会を設置するなど、対応に乗り出しています。
横浜市教育委員会の不登校支援・いじめ対策課の担当者は、教育現場の対応について次のように説明しています。「教員の逮捕が判明した翌日から、当該の小学校にはスクールカウンセラー1名とスクールスーパーバイザー(SSV)1名を派遣しました。スクールカウンセラーは普段は週1回の勤務ですが、通常のスクールカウンセラーに加え、市から新たに1人を常駐させています。SSVは児童のケアだけでなく、先生に対して児童とどう接したらいいのかなどを支援する役割といえます。」
また、市は「こころの健康観察」システムも導入。支給されているiPadで、児童が毎朝5段階で自分の体調を評価し、コメントを入力する仕組みです。担任教師が毎日このアンケートを確認し、不調を訴えるなど低い評価が続く場合は、カウンセラーに繋いで聞き取りを行う体制が整えられています。この担当者によれば、6月25日から7月11日までの相談者は8名で、のべ15回の相談があったとのことです。
行政が対応を急ぐ一方で、保護者の不安は依然として消えていません。ある30代の母親は取材に対し、事件が残した深い影について懸念を漏らしています。
参考文献: