フィリピン元慰安婦、日本政府へ謝罪求め集会開催:高齢化と防衛協力下の訴え

【マニラ共同】第二次世界大戦中、旧日本軍の従軍慰安婦とされたフィリピン人女性たちの支援団体「リラ・ピリピーナ」は14日、首都マニラで日本政府に対し正式な謝罪と公正な解決を求める抗議集会を開催しました。参加者らは、日本政府が被害女性の尊厳回復に消極的な姿勢を維持しつつ、フィリピンとの防衛協力を急速に進めている現状を厳しく批判し、約20人が「戦争に向かうな」と声を揃えてシュプレヒコールを上げました。

高まる批判と参加者の声

集会では、日本政府が戦時に女性たちに与えた苦痛に対し、いまだにその責任を果たしていないという強い非難の声が上がりました。この問題は、両国間の歴史認識において長らく重要な論点となっており、フィリピン側は継続的な対話を求めています。集会の参加者たちは、平和への強い願いと、過去の過ちを繰り返さないよう求めるメッセージを発信しました。

高齢化する生存者たちの現状

旧日本軍の慰安婦とされた女性たちは、年々高齢化が進んでおり、支援団体「リラ・ピリピーナ」が把握している生存者は現在10人を下回る状況です。時間の経過とともに、被害者自身の声を聞く機会が失われつつあり、問題の早期解決の重要性が一層高まっています。

フィリピンの首都マニラで、日本政府に対し旧日本軍「慰安婦」問題の謝罪と解決を求める抗議集会に参加する支援団体「リラ・ピリピーナ」のメンバーや市民たち。高齢化が進む生存者の現状を訴え、尊厳回復を求める声が上がった。フィリピンの首都マニラで、日本政府に対し旧日本軍「慰安婦」問題の謝罪と解決を求める抗議集会に参加する支援団体「リラ・ピリピーナ」のメンバーや市民たち。高齢化が進む生存者の現状を訴え、尊厳回復を求める声が上がった。

遺族と支援団体の継続する訴え

昨年亡くなった母親が元慰安婦だったというエリザベス・アティリヨさん(69)は、涙ながらに「日本側が過去を深く省みる姿勢を示せば、母親たちの魂は安らかに眠ることができる」と訴えました。また、元フィリピン下院議員のアーレン・ボロサス氏は、日本政府が依然として責任を果たしていないと糾弾し、「たとえ全ての元慰安婦が死去しても、その家族たちは正義の実現を強く求めている」と述べ、謝罪要求を今後も続ける意思を表明しました。この問題は、単なる歴史問題に留まらず、世代を超えた人権と尊厳の問題として認識されています。

日本政府の公式見解

在フィリピン日本大使館によると、日本政府は1956年に締結された日比賠償協定などに基づき対応しており、「慰安婦問題は法的に解決済みである」という立場をとっています。しかし、フィリピン側の支援団体や遺族は、法的解決とは別に、道義的な責任と人権問題としての謝罪を求め続けています。


参照元: Source link