【ワシントン発】来たる米露首脳会談の詳細が明らかになってきた。米国とロシアの両政府は、アラスカ州でのトランプ大統領とプーチン大統領による首脳会談後に、共同記者会見を行う方向で調整を進めている。世界が注目するこの会談は、両国の関係性に新たな動きをもたらすものと期待される。
アラスカでの米露首脳会談を控えるトランプ米大統領とプーチン露大統領
会談の形式と進行予定
米国のキャロライン・レビット大統領報道官は14日、FOXニュースの番組で、15日にアラスカ州で実施される米露首脳会談の計画について言及した。会談はまず、トランプ大統領とロシアのプーチン大統領による1対1の非公開協議から開始される予定だ。その後、両国の高官らが加わる拡大会合へと移行し、昼食を取りながら協議を継続する想定だと説明された。これは、両国が幅広い議題について深く議論する意向を示している。
会談場所と時間、ロシア側の準備
タス通信によると、ロシアのユーリー・ウシャコフ大統領補佐官は同日、米露首脳会談が15日午前11時半頃(日本時間16日午前4時半頃)から、米軍のエルメンドルフ・リチャードソン統合基地で行われることを明らかにした。この基地はアラスカ州アンカレッジに位置し、米露間の地理的アクセスの中間点とも言える。ウシャコフ氏は、首脳による共同記者会見と高官参加の拡大会合を実施する方向で調整が進められているとの認識を示し、ロシア側からは自身に加え、セルゲイ・ラブロフ外相、アンドレイ・ベロウソフ国防相、米露の経済協力を担当するロシア直接投資基金のキリル・ドミトリエフ総裁ら計5人が参加すると説明した。
成果文書とプーチン大統領の評価
一方で、タス通信はドミトリー・ペスコフ露大統領報道官の話として、今回の首脳会談を踏まえた成果文書の署名は予定されていないとも伝えている。これは、具体的な合意形成よりも、対話の継続と関係性の構築に重きが置かれている可能性を示唆している。また、ロシア大統領府の発表によると、プーチン大統領は14日、首脳会談に先立ち、政府高官らと会議を開いた。会議の冒頭、プーチン大統領はトランプ政権の姿勢について「十分にエネルギッシュで誠実に努力している」と評価する発言を行い、会談への前向きな姿勢を覗かせた。
今後の展望
アラスカでの米露首脳会談は、国際社会における米露関係の安定化に向けた重要な一歩となることが期待される。共同記者会見が実現すれば、両首脳が直接、会談の成果や今後の展望について語る機会となり、世界の関心をさらに集めることになるだろう。成果文書の署名がないとはいえ、今回の会談が両国の対話促進と協力分野の模索に貢献する可能性は大きい。
参考文献
- Yahoo!ニュース (元記事: 読売新聞オンライン) – 米露首脳会談、共同記者会見を計画…15日にアラスカで (2025年8月14日掲載)
- FOXニュース (Caroline Leavitt 大統領報道官の発言)
- タス通信 (ユーリー・ウシャコフ露大統領補佐官、ドミトリー・ペスコフ露大統領報道官の発言)
- ロシア大統領府 (プーチン大統領の会議発言)