2025年8月、中国の成都で開催された「ワールドゲームズ」のラテンダンス競技において、ラトビア出身の審査員セルゲイ・シンキンス氏がその際立った存在感で中国のSNSを席巻し、一夜にして「時の人」となりました。彼の写真が拡散されるや否や、その優雅な立ち姿と振る舞いが多くの人々を魅了し、瞬く間に注目を集めたのです。
中国SNSを席巻した“優雅な審査員”
シンキンス氏が世界中の注目を集めたのは、成都北体育館での審査中の出来事でした。身長およそ190センチという長身に加え、美しい直立姿勢、そして洗練されたグレイヘアーがその優雅さを際立たせ、多くの観客の目を釘付けにしました。中国のSNSユーザーは彼の出で立ちや立ち振る舞いを「優雅」と絶賛し、「ミスター・フェラーリ」という愛称で呼ぶようになりました。
成都の公式X（旧Twitter）は、シンキンス氏の輝かしい経歴について説明しています。彼は旧ソビエト連邦のラテンダンスチャンピオンであり、さらには12人もの世界チャンピオンを育成した実績を持つコーチでもあります。ワールドゲームズ中の写真が公開されると、その専門性と品格がさらに強調されました。シンキンス氏は、自身への突然の注目に対しECNSに「驚きましたが、感謝しています。私はただ職務を果たしていただけで、観客の皆さんが気づいてくださったのです」と語り、謙虚な姿勢を見せています。
セルゲイ・シンキンス氏がワールドゲームズ成都で審査員を務める様子
ソーシャルメディアでの広がりと影響
シンキンス氏の人気はソーシャルメディア上で急速に拡大しました。彼は自身のTikTokアカウントを開設し、ファンとの交流の場を設け、さらに多くの情報を発信し始めています。また、そのあまりに絵になる姿から、多くのSNSユーザーが彼をイラスト化する現象も発生。「二次元すぎる」存在として、現実離れしたカリスマ性を持つ人物として話題を呼んでいます。
優雅さを保つ「ダンスのある人生」
多くの人々が彼の優雅さの秘訣に興味を抱く中、シンキンス氏はECNSに対しその哲学を明かしました。彼は「ダンスを人生の一部にすること」が重要だと語り、「良い姿勢や習慣は自然に体に刻まれます。前向きに生き、誠実な人々に囲まれれば、常に品位を持って過ごせます」と続けています。
この考えは、彼と同じく審査を務めた中国人審査員の意見とも共通します。China Minutesに対し、その審査員は「優雅さはプロ意識であり、集中力・自制心・敬意が欠かせない」と述べており、内面からくる規律と自己管理が真の優雅さを形作るという視点を示しています。
セルゲイ・シンキンス氏の現象は、国際的なイベントにおける個人の魅力が、いかに瞬く間に世界を魅了し、新たなトレンドを生み出すかを示す好例と言えるでしょう。彼の優雅さとプロフェッショナリズムは、単なるSNSの話題にとどまらず、多くの人々にポジティブな影響を与え続けています。
参考文献
- South China Morning Post
- ECNS
- China Minutes
- ワールドゲームズ成都 公式Xアカウント
- Huffington Post JP
