ロシア軍、キーウ政府庁舎を初攻撃:過去最大規模のドローン攻撃で甚大な被害、国際社会に制裁強化を要請

ウクライナでは、ロシア軍による800機以上のドローンを用いた大規模な空爆があり、首都キーウに位置するウクライナ政府庁舎が、2022年の侵攻開始以来初めて被害を受けました。この前例のない攻撃は、ウクライナ全土に広範囲にわたる深刻な影響を及ぼしています。

ロシア軍、過去最大規模の攻撃を展開

ウクライナ空軍が発表した情報によると、ロシア軍は6日夜から7日未明にかけて、計13発のミサイルと810機ものドローンを投入し、ウクライナ各地に攻撃を仕掛けました。これは、一日あたりに行われた攻撃としては過去最大規模とみられています。特に首都キーウでは、国の行政を司る政府庁舎の建物が攻撃により損傷し、火災が発生する事態となりました。ウクライナのユリア・スビリデンコ第一副首相兼経済発展・貿易大臣は、自身のSNS上で「敵の攻撃によって政府庁舎が初めて損傷した」と述べ、被害の重大性を強調しました。

ロシアのドローン攻撃により損傷したウクライナのキーウにある政府庁舎の建物ロシアのドローン攻撃により損傷したウクライナのキーウにある政府庁舎の建物

キーウと周辺地域に甚大な被害

今回の大規模攻撃により、キーウ市内では政府庁舎のみならず、複数の住宅にも深刻な被害が発生しました。非常事態庁などの発表によれば、これまでに子ども1人を含む少なくとも2人が死亡、10数人が負傷したとされています。さらに、北東部のスーミ州や北部チェルニヒウ州といった地域でも死者が確認されており、広範囲にわたる人的被害が明らかになっています。民間インフラへの攻撃は、市民生活に多大な影響を与え、国際的な非難の対象となっています。

ゼレンスキー大統領、国際社会に制裁強化を要請

度重なるロシア軍の攻撃を受け、ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は、今回の殺りくが続く状況を「意図的な犯罪行為であり、戦争を長期化させることに他ならない」と強く非難しました。その上で、ゼレンスキー大統領は国際社会に対し、「ロシアの犯罪行為を阻止する力は国際社会にある。必要なのは政治的な決意だけだ」と訴え、各国がロシアに対する経済制裁をさらに強化するよう強く求めました。ウクライナは、国際社会の一致団結した対応が事態の打開に不可欠であるとの立場を示しています。

結論

ロシア軍による過去最大規模のドローン攻撃は、ウクライナの首都キーウにある政府庁舎に初めて被害をもたらし、民間にも甚大な被害を与えました。ゼレンスキー大統領はこれを「意図的な犯罪」と断じ、国際社会に対し、ロシアへの制裁強化と政治的決意を持って紛争終結に向けた行動を強く促しています。この状況は、国際社会のさらなる連携と明確な対応が求められる局面であることを示しています。

参考文献