15日に終了したNHK大河ドラマ「いだてん」全47回の平均視聴率が関東地区で8.2%(関西地区7.1%)となり、歴代の大河史上最低だったことが16日、ビデオリサーチの調べで分かった。過去最低だった「花燃ゆ」(平成27年)と「平清盛」(同24年)の12.0%を大きく下回り、初の1桁台となった。
各回ごとの平均視聴率は1月6日の初回は15.5%(同12.9%)だったものの、2月には10%割れ。終盤も盛り返せず、最終回の平均視聴率は関東で8.3%、関西で7.0%だった。
日本初のオリンピック選手、金栗四三(かなくり・しそう)と昭和39年の東京五輪招致に尽力した田畑政治(まさじ)が主人公で、来年の東京五輪・パラリンピックを見据えた話題作。主人公には知名度が高い歴史上の人物を据えるケースが多かったが、今回は一般的にはなじみが薄い人物。登場人物の視点や時代がめまぐるしく切り替わる構成や演出も取り入れられた。
同志社女子大の影山貴彦教授(メディアエンターテインメント論)は「冒険的な演出や試みからは、若い世代を引き込もうという思いも見えた」と評価をする。その上で、「“大河っぽさ”を荒っぽく壊したふうにも取れ、昔からのファンはついていけなかったのではないか」と分析する。同時間帯には他局の人気番組があり、影山教授は「視聴率だけでは計れない」とも指摘する。
「いだてん」をめぐっては、出演していたピエール瀧さんやお笑いコンビ「チュートリアル」の徳井義実さんの不祥事が明らかになり、一部撮り直しや出演シーンを短くするなどの対応にも追われた。