2025年は、数々のアニメ作品が放送され、多くの声優たちが個性と才能にあふれる演技を披露しました。本稿では、特に目覚ましい活躍を見せ、視聴者を魅了した女性声優に焦点を当てます。個性豊かな演技で、今年もアニメ業界に大きな足跡を残した彼女たちの軌跡を振り返りましょう。
劇場版『チェンソーマン レゼ篇』のキービジュアル
上田麗奈:表現力豊かな演技で”100億の女”へ
上田麗奈さんの名前なくして、今年の活躍した女性声優は語れません。幅広い演技力には定評があり、毎年何かしらのヒロイン役を演じる人気声優ですが、今年は特に劇場版『チェンソーマン レゼ篇』の大ヒットにより、強い印象を残しました。
同作で上田さんが演じたレゼは、主人公デンジを翻弄する魔性のヒロインとして描かれています。透明感のある声質とミステリアスな演技が相まって、デンジだけでなく観客にとっても理想の存在を具現化していました。興行収入においても、レゼは“100億の女”に迫る勢いを見せており、上田さんの代表作となることは間違いありません。
上田さんは、『SSSS.GRIDMAN』の新条アカネや映画『ハーモニー』の御冷ミァハなど、どこか陰を持つ役柄を得意としています。その才能は、秋アニメ『私を喰べたい、ひとでなし』で主人公・八百歳比名子役においても存分に発揮されました。暗い過去を抱えた比名子のキャラクター性を、セリフの一つひとつに滲ませるような繊細な演技を披露しました。
2026年1月30日には、ギギ・アンダルシア役を演じる映画『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ キルケーの魔女』の公開が控えており、その勢いは来年以降も続くことでしょう。
中村カンナ:『わたなれ』で新たな飛躍
今年活躍が印象深かった声優の一人として、中村カンナさんの名前も挙げられます。『ウマ娘』シリーズのナリタトップロード役としてお馴染みでしたが、今年は『わたなれ』こと『わたしが恋人になれるわけないじゃん、ムリムリ!(※ムリじゃなかった!?)』で主人公・甘織れな子役を演じ、さらなる飛躍を遂げました。
いわゆる百合作品としては異例の大ヒットとなった『わたなれ』の魅力は、そのほとんどが甘織れな子のキャラクター性に集約されていると言っても過言ではありません。「れな子が悪いんだよ」というネットミームまで生み出したこのキャラクターを、中村さんは「ほぼれな子本人」とまで言われるほどの解像度の高さで演じ切り、多くのアニメファンにその実力を見せつけました。
また、今年は他にも『ゴリラの神から加護された令嬢は王立騎士団で可愛がられる』や『悪食令嬢と狂血公爵』で主役を演じ、さらに『サイレント・ウィッチ 沈黙の魔女の隠しごと』ではラナ・コレット役を務めるなど、数々の大きな役柄を射止めました。来年は本格的なブレイクの年になるかもしれません。
このように、2025年は上田麗奈さんと中村カンナさんをはじめとする女性声優たちが、その圧倒的な演技力と存在感でアニメ業界に多大な貢献を果たしました。彼女たちの今後のさらなる活躍に期待が高まります。





