政府が今月決めた財政支出13兆2000億円の経済対策を実行するため、令和2年度予算案には、1兆7788億円の「臨時・特別の措置」を盛り込んだ。元年度当初予算と比べると1兆2000億円の減額となる。消費税増税の悪影響や、来年夏の東京五輪終了後の景気落ち込みなどを防ぐ。経済対策分の4兆3000億円を盛り込んだ元年度補正予算案とあわせ、「個人消費や投資を切れ目なく下支えする」(政府関係者)考えだ。
2年度の「臨時・特別の措置」では、現金を使わずクレジットカードやQRコードなどを使って買い物するキャッシュレス決済に対してポイントを付与する「ポイント還元事業」に2703億円を充てた。
消費税増税にあわせスタートした同事業は来年6月まで行われる。中小店舗での買い物に5%分還元するなどし、原資を国が負担する。消費を下支えするとともに、海外より遅れている日本のキャッシュレス決済の比率を高める。
マイナンバーカードを保有する人を対象としたポイント還元事業には、2478億円を充てた。最大2万円までのキャッシュレス決済などに対し、25%にあたる5000円分のポイントを与える。事業のスタートは東京五輪後の9月から。
このほか、一定の年収以下の人による住宅購入にお金を支給する「すまい給付金」に1145億円。災害に強いインフラの整備などを進める「防災・減災、国土強靱(きょうじん)化のための3カ年緊急対策」には、1兆1432億円を計上した。