【パリ=三井美奈】スペイン公共放送ウェブサイトで今月12日、ロシアの政府系テレビ局「RT」のインタビュー映像が突然流れ、「ハッキング疑惑」が広がる騒ぎになった。
この映像は、スペイン司法当局が指名手配している東部カタルーニャ自治州のプチデモン前州首相のインタビュー。RTの編集幹部は16日、「ハッカーがスペイン国営放送に侵入したようだ。誰の仕業か分からないが、すてきなことだ」とインターネット上で発信した。プチデモン氏はインタビューで、スペイン政府が独立運動を弾圧していると批判し、「われわれは勝つ」と訴えた。
一方、スペイン公共放送は18日の声明で、「外部からの妨害工作はなかった」とハッカー侵入の可能性を否定した。一方で詳細は明らかにしなかった。
カタルーニャ州独立運動をめぐっては2017年、スペイン政府がロシアによる情報介入の疑いを指摘。先月、スペイン司法当局による捜査着手が報じられたばかりだった。