田中和徳復興相が産経新聞のインタビューに応じ、台風19号など災害が相次いだ令和元年や来年3月11日で9年を迎える東日本大震災からの復旧・復興について語った。被災地の食材に対する風評被害を払拭するため、自ら海外に出向き「トップセールス」に臨む考えを明らかにした。
台風19号は震災被災地の東北でも浸水などの被害を起こした。田中氏は「政府一丸となって被災者の生活と生業の再建に向けた対策パッケージを実行する。復旧・復興に全力を挙げる」と述べた。
政府は20日、復興に関する新たな基本方針を閣議決定。復興庁の設置期限を10年延長し、令和13年3月末までとすることが柱だ。田中氏は「東京電力福島第1原発事故の被災地の復興は道半ばというか、これからだ。現場主義で地元の要望を聞き、被災者に寄り添って復興に取り組む。できれば国内や海外から企業を誘致し、働く場所ができて、一般家庭が生活できる地域にできるようにレールを敷きたい」と述べた。
被災地の食材の風評被害払拭のため、麻生太郎財務相に直談判し、海外出張費などを令和2年度予算案に計上した。田中氏は「科学的な数値や世界の状況を繰り返し正しく伝える必要がある」と強調。「日本の食品を輸入している国や地域で、現地の人と生産地の人が触れ合うイベントのようなものを外務省や自治体と協力してやってみたい。私も99カ国、世界中を歩いてきた人間なので、土地勘もあるつもりだ。特にアジア方面に向け何かやってみたい」と語った。(沢田大典)