【トランプ弾劾】検察官役の民主下院議員団が意見陳述終了 証人尋問の実施めぐり議員の切り崩し合戦活発化へ





トランプ米大統領の弾劾裁判で、意見陳述する民主党のシフ下院議員=24日、上院(上院テレビの映像から・AP)

 【ワシントン=黒瀬悦成】ウクライナ疑惑をめぐるトランプ米大統領の弾劾裁判は24日、検察官役を務める民主党下院議員団が3日目の意見陳述を行った。民主党の意見陳述はこの日で終了。同党としては、裁判で証人尋問を行うべきかどうか態度を保留している穏健派の共和党議員に働きかける最後の機会となったが、民主党の思惑通りに一部の共和党議員が証人尋問に賛成するかは現時点で予断を許さない状況だ。

 民主党議員団は、前日に大統領の「権力乱用」について陳述したのに続き、この日はトランプ氏が下院民主党の弾劾審議を阻止したとする「議会妨害」について意見を表明した。

 25日にはトランプ氏の弁護団が約3時間にわたり意見陳述を行う。弁護団の意見陳述も最長で28日まで計24時間にわたり行われる。

 最大の注目点となっている、ボルトン前大統領補佐官(国家安全保障問題担当)ら疑惑の核心を知る立場にある証人の尋問をめぐっては、民主党の間でも共和党の穏健派議員を説得できたかどうかについて見方が割れているもようだ。

 証人尋問に賛成しそうだとみなされている共和党の穏健派4議員のうち、ロムニー上院議員(ユタ州選出)は24日、記者団に「ボルトン氏の証言を聞いてみたい」との意向を明らかにした。

 一方、民主党の側ではジョーンズ氏(アラバマ州選出)、マンチン氏(ウェストバージニア州)、シネマ氏(アリゾナ州)といった中道派議員が自身の再選をにらみ、保守的な地元の有権者に配慮して証人尋問に反対するか、トランプ氏に有罪票を投じない可能性が取り沙汰されている。

 このため、民主党と共和党との間では、証人尋問実施の是非をめぐり議員の切り崩し合戦が活発化する公算が大きい。

 ABCテレビと米紙ワシントン・ポストが24日発表した合同世論調査によると、全米の有権者の66%が「上院は証人尋問を行うべきだ」と回答した。党派別では共和党支持者の44%、民主党支持者では87%が証人尋問を要求した。



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