EU前大統領が単独会見 英EU離脱後の欧州外交は「中国が試金石」



28日、ブリュッセルで産経新聞と会見するトゥスク前EU大統領(三井美奈撮影)

 【ブリュッセル=三井美奈】英国による31日の欧州連合(EU)離脱を前に、昨年秋までEU大統領を務めたドナルド・トゥスク氏が28日、産経新聞と単独会見した。欧州外交は今後、中国への対応が「試金石」になると指摘し、英国が離脱しても「英国とEUの協力が望ましい」と述べた。

 中国をめぐっては、英政府が28日、米国が完全排除を求めている中国通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)製品の第5世代(5G)通信網使用を限定的に容認した。トゥスク氏は英国がEU離脱を機に、第三国との外交を活発化しようとしていることの表れだとの見方を示した。

 そのうえで「ファーウェイを抑えようとする米国の思惑を、英国が無視できるとは考えにくい。英国は対米貿易交渉が控えている」と述べ、米国の反応が今後の英国の動きを左右すると予測した。ファーウェイ問題では「米英、EUの3者のできるだけ緊密な連携が重要。バラバラだと中国の思惑にはまってしまう」と述べた。

 EUの歴史で加盟国の離脱は初めてとなる。トゥスク氏は中国やロシアの台頭、米欧同盟にきしみが生じる現状を展望し、「欧州が、いま必要とするのは結束だ。英国のEU離脱は双方にとって大打撃になる」と危機感を示した。

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