シリア政権軍が幹線道制圧 反体制派支援のトルコと対立激化

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 【カイロ=佐藤貴生】シリアのアサド政権軍は11日、北西部イドリブ県周辺で隣国トルコの支援を受ける反体制派武装勢力と交戦し、首都ダマスカスや北部の都市アレッポを結ぶ主要幹線道路を制圧した。一方、トルコのメディアは11日、反体制派武装勢力がシリア北部で政権軍のヘリコプターを撃墜したと伝えた。戦闘激化に歯止めがかからず、国連も人道危機の深刻化に懸念を強めている。

 ロイター通信によると、政権軍が支配した幹線道はアレッポやダマスカス、南部ダルアーを結ぶ「M5」。国内の物資輸送の大動脈で、兵力の移動も容易になる可能性がある。政権側が全区間を支配下に置いたのは内戦発生翌年の2012年以来。

 イドリブ県は反体制派武装勢力の最後の拠点で、イスラム過激派グループも多数割拠しているとされる。政権軍とその後ろ盾のロシア軍は11日、県内の複数の町を空爆したもようだ。

 一方、トルコ軍は今月、イドリブ周辺で計13人の兵士らが攻撃を受けて死亡したとして、10日に政権軍への報復攻撃を行った。内戦で双方の軍が直接衝突するのはまれ。トルコは5000人の兵力や戦車、迫撃砲などをイドリブに送ったとされ、エルドアン大統領は11日、アサド政権側は「とても重い代償」を支払うことになると警告した。

 情勢の緊迫化を受け、トルコの首都アンカラで行われてきた同国とロシアの代表団との協議は10日に終了した。目立った成果はなかったもようだ。

 トルコは18年、内戦で大量のシリア難民が流入したのを受け、イドリブの周囲に監視ポストを設けてイスラム過激派の武装解除を主体的に行うことでロシアと合意。しかし、アサド政権側は、武装勢力が居座ったままで、トルコは領土を侵犯していると批判してきた。

 国連はイドリブでは昨年12月上旬以降、約70万人が家を離れたとしている。当局者は短期間にこれほど多数の避難民が出たのは内戦を通じて例がないとの見方を示した。

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