【北京=三塚聖平】中国国家衛生健康委員会は10日、肺炎を引き起こす新型コロナウイルスの中国本土の感染者が前日から19人、死者は17人それぞれ増えたと発表した。1日当たりの新たな感染者は3日連続で50人を下回った。感染状況が深刻な武漢市を含む湖北省以外の新たな感染者は2人だった。
発表によると10日午前0時(日本時間同1時)時点で、中国本土の感染者は累計8万754人で、死者は3136人となった。治療を終えて退院した人は9日に1297人増え、累計は約6万人。重症者は約4800人となっている。
中国は、海外からのウイルスの「逆輸入」を警戒している。李克強首相は9日に開いた会議で、新型ウイルスの状況について「情勢は引き続き複雑だ」と指摘。海外での感染拡大を受けて「国際協力と水際対策を強化する」と強調した。中国は10日から、滞在日数15日以内の日本人に対する査証(ビザ)の免除措置の一部を一時的に停止している。
一方、アジアを中心に世界の政財界要人が経済協力などについて話し合う中国主導の国際組織「博鰲(ボアオ)アジアフォーラム」は、今月24~27日に海南省で開催予定だった年次総会を延期すると発表した。新型ウイルスの感染予防のためで、延期後の日程は明らかにしていない。年次総会は例年、中国の習近平国家主席らが演説をするため、国内外で注目されている。