韓国、入国者全員に検疫厳格化 新学期は3度延期





17日、韓国・ソウルの高尺スカイドームで消毒作業をする人々(AP)

 【ソウル=名村隆寛】韓国政府は17日、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大を受け、19日から全ての国を対象に特別入国手続きを適用することを発表した。韓国人、外国人を問わず、韓国に入国する者全員に発熱検査や特別検疫申告書の提出を義務付け、審査を厳格化する。

 韓国では現在、日本のほか、中国や欧州全域からの入国者に特別入国手続きが適用されている。韓国政府は「ここ3~4日間で海外から入国した韓国国民から6人の感染が確認された。欧州だけでなく米国、アジアなどで感染者が急増している」と海外からのウイルス流入を防ぐ必要性に一層迫られていることを説明した。

 韓国国内での感染者は17日の時点で8320人で、死者数は計82人。新たな感染確認数は3日連続で100人を下回り、感染は鈍化傾向にある。ただ、こうした中でも、ソウル市内のコールセンターや、首都圏の京畿道(キョンギド)城南(ソンナム)市のキリスト教系宗教団体での集団感染が発覚している。新たな感染者は、感染者の大半を占める大邱(テグ)・慶尚北道(キョンサンプクト)よりも首都圏での確認が最近は上回っており、防疫当局は警戒を強めている。

 一方、韓国政府は17日、すでに2回、延期されている全国の小中高校の新学期の開始をさらに2週間延期することを発表した。韓国の新学年は3月に始まるが、今年は初めて4月にずれ込み、5週遅れとなる。

 感染問題は低迷が続く韓国経済にも深い影を落としている。文在寅(ムン・ジェイン)大統領は17日の閣議で「現況は2008年の世界金融危機より深刻だ」と危機感を示した。経済への影響を最小限に食い止めるため、大統領主宰の非常経済会議を設け、「前例のない非常状況に前例のない対策で対処していく」との方針を強調した。



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