群馬県は23日、新型コロナウイルスの感染拡大により経営環境が急速に悪化している県内企業の支援に乗り出した。資金繰りに対応する県の制度融資「経営サポート資金」の拡充を決め、関連予算を盛り込んだ令和2年度補正予算案を第1回定例会に追加提案する。同日には企業の相談に幅広く応じる専用窓口「感染症対策県内企業ワンストップセンター」の開設など態勢強化にも着手した。
県は、リーマン・ショック級と指摘される経済危機への対応が不可欠と判断。まずは経営サポート資金の拡充で資金繰りが悪化した中小企業を支援する。感染拡大に伴って足元の経営環境は急激に悪化しており、融資限度額▽期間▽利率-など現行の条件を見直して提供する。
低利融資が実現すれば利用増が見込まれるため、2年度当初予算ベースで80億円だった融資枠を大幅に拡大する。
ワンストップセンターでは、融資に加え雇用や技術開発、職業訓練など複数の課題に一元的に対応。迅速な解決を図る。
今後は、県と金融機関が連携し地域ごとの「出張相談会」を開催し、きめ細かい対応を進める。
県に寄せられた相談は18日時点で融資関連が60件、経営関連が20件に上る。外出自粛に伴う客数や売り上げの減少などを懸念する声が目立ち、ある宿泊業者は「2月から予約キャンセルが相次ぎ、3、4月はほぼ予約がなく資金繰りに余裕がない」と訴えた。