新型コロナウイルスの感染拡大を受け、医療関係者やナイトクラブなどから支援を求める声が与党に寄せられている。看護師らは感染症対策で私生活を犠牲にした超多忙の日々を送っており、政府の緊急事態宣言を受けて東京都の休業要請対象となった夜の盛り場も営業面で苦難に直面しているためだ。与党は要望を踏まえた支援策の検討を政府に働きかける方針だ。
「『家族に病気をうつさないだろうか』『保育園で子供を預かってもらえるだろう』という日々を過ごしている。(医療現場が)崩れると日本全体が崩れてしまうので絶対に守らなければならない」
看護師として活躍した自民党の石田昌宏参院議員は、10日に国会内で開かれた党看護問題対策議員連盟(伊吹文明会長)の会合でこう述べ、精神的にも肉体的にも追い込まれている医療従事者のサポートを強化すべきだと訴えた。議連は出席者の意見をもとに近く決議文を取りまとめる方針も確認した。
9日には党「女性議員飛躍の会」の共同代表を務める稲田朋美幹事長代行が首相官邸を訪れ、医療・看護団体からの要望を踏まえた提言を安倍晋三首相に手渡した。妊婦やひとり親家庭への支援、感染と向き合う看護師らへの10万円支給などを盛り込んだ。
救いを求めるSOSは夜の街からも届いた。岸田文雄政調会長は同日、銀座や六本木のナイトクラブ経営者らと面会し、緊急支援策の対象から除外しないよう要望を受けた。全国市長会幹部とも会い、外出自粛要請で損害を受けた中小企業、小規模事業者への直接補償を要請された。
一方、公明党はインターネットカフェの休業に伴い、そこで寝泊まりする「ネットカフェ難民」が居場所を失うことを危惧し、一時的な宿泊先確保を加藤勝信厚生労働相に求めている。(広池慶一)
「接待飲食を支援対象から除外しないで」銀座ママらが自民・岸田政調会長に要請