群馬県の山本一太知事は16日の定例会見で、新型コロナウイルスの感染拡大について、現状の対策のままでは県内の感染者数は半年後にピークに達し、2万8千人に上るとの試算結果を発表した。山本知事は今後の政策立案を考える上で「一つの判断材料にしていく」と述べた。
試算は県の要請に基づき、群馬大学大学院医学系研究科の小山洋教授(公衆衛生学)らが行った。
それによると、感染状況などから感染者1人から平均何人に感染したかを示す「実効再生産数」が「1」を上回る「1・3」と算出された。
県内では外出自粛や学校の臨時休校措置などが行われ、人と人の接触は昨年末から半減しているとみられるが、現状のままではピーク時に重篤患者数が1400人に上るとした。
ただ、政府の緊急事態宣言の対象地域で求められているのと同様に人と人の接触を80%削減できれば、ピーク時の感染者数は800人、重篤患者数は40人に抑えられるという。
山本知事は県民に外出自粛の理解を一層深めてもらうことが必要と判断。具体的に利用を控える場所など実際の生活に即した質疑応答を作成、公表した。
また、山本知事は会見で、県職員の2チーム制による在宅勤務を20日から導入すると正式発表した。「出勤者を5割減、さらに7割減を目指す」と述べた。
このほか軽症や無症状の感染者の療養施設については、「4月中に300室を確保する」とした。