東京都の小池百合子知事(67)は12日、6月18日告示、7月5日投開票の都知事選に立候補すると表明した。主な公約に、新型コロナウイルスの感染第2波への備えや今後の経済再生などを掲げた。
小池氏は12日夕方に行われた記者会見で、「4年前は推薦をいただかず、崖から飛び降りた。改めて政党の推薦を求めることなく、都民の推薦、推挙を得るべく挑む」と述べた。
新型コロナウイルスの感染が続く中、小池氏は出馬表明を先送りにしてきた。新たな感染者数の横ばいが続く中、11日には都民に警戒を呼びかける東京アラートを解除し、事業者への休業要請をほぼ全面的に解除する方針を決定した。10日閉会の都議会でも、総額5832億円の追加補正予算が成立し、新型コロナ対応は一定の節目を迎えたと判断した。
都議会最大会派の都民ファーストの会に加え、都政で協調路線をとる公明党も事実上の支援に回るとみられる。一方、自民党は12日、党本部で幹部会合を開き自主投票とする方針を決めた。都知事選にはすでに、元日弁連会長の宇都宮健児氏(73)や元熊本県副知事の小野泰輔氏(46)らが立候補を表明しているが、野党統一候補の擁立は難航している。
小池氏は国会議員時代に防衛相や環境相を歴任し、平成28年7月に舛添要一氏の辞職に伴う都知事選に出馬し初当選した。29年1月、都民ファーストの会を事実上創設したほか、29年10月の衆院選では直前に結成した国政政党「希望の党」で代表を務めた。一時は野党第一党を伺う勢いを見せたが、「排除」発言を機に失速した。
今年に入ってからは、3月から4月にかけて都内で感染が拡大した新型コロナ対策を指揮した。緊急事態宣言の期間は、都の休業要請に応じた中小事業者向けの「感染拡大防止協力金」を全国に先駆けて創設した。