歌手、木山裕策 歌に専念 矢先のコロナ禍

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心機一転の新作アルバムを出した歌手、木山裕策さん(提供写真)

心機一転の新作アルバムを出した歌手、木山裕策さん(提供写真)

 歌手の木山裕策(51)がアルバム「ラヴ&メモリーズ」を発売した。

 テレビのオーディション番組を経て平成20年に「home」でデビュー。サラリーマンと二足のわらじの歌手活動も話題だったが、昨年11月に勤め先を退社。所属事務所も辞めた。レコード会社も移籍し、心機一転の新作だ。

 「50歳を機に、残りの人生を歌にかけようと決断しました」

 20代は脚本家を目指したが、結婚し、子供ができ、勤め人になった。16年には甲状腺がんの手術を受けた。声を失う恐れがあったが、歌えたことに大きな喜びを感じ、39歳で歌手デビューを果たした。

 「悩んでばかりの人生でした。でも、今は生きていてよかったと思うんです。人生は捨てたもんじゃないということを、僕の体験を踏まえて子供たちに伝えたい」

 そこで歌と講演をセットにした活動にも力を入れているが、芸能事務所には相いれないビジネスサイズであり、サラリーマンを辞めると同時に事務所も辞した。

 だが、新たな一歩を踏み出したとたんの新型コロナウイルス禍。予定していた講演会は全てキャンセルになった。

 レコーディングが緊急事態宣言の発令直前に完了していたのが幸いだった。新作アルバムは、村下孝蔵の「初恋」など10代の頃に魅了された歌を、独特の穏やかな声でカバーした。

 「つらいときですけど、歌で少しでも和んでいただけたらうれしいです」(石井健)

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