歓迎の裏で浮かぶ課題、「かつての失敗と同じ道」の指摘も◆部活動の外部委託【時事ドットコム取材班】

歓迎の裏で浮かぶ課題、「かつての失敗と同じ道」の指摘も◆部活動の外部委託【時事ドットコム取材班】

[ad_1] イメージ画像  中学校の部活動が変わろうとしている。2023年度、教員が担っていた指導を地域や民間に任せる「地域移行」が段階的にスタート。まずは土日の活動での委託が始まった。背景にあるのは、教員の働き方の問題。休日返上で指導していた教員ばかりか、生徒からも歓迎の声が聞かれたが、指導員の確保や保護者の費用負担などの課題も残る。(時事ドットコム編集部 谷山絹香) 【写真】テニス部でラケットの握り方を教える民間指導員 教員ではない指導員、変わる部活動  2023年6月下旬の日曜日、東京都立両国高等学校附属中学校(東京都墨田区)では、テニス部員15人がコートを走り回っていた。近くに顧問教員の姿はない。「足動かして!」「打ったら線まで戻ろう」。アドバイスを送っているのは、都の実証事業で同月からテニス部に派遣されている民間の指導員、長沼剛直さん(43)だ。  普段はスポーツクラブなどでテニスコーチを務めており、学校教育に関わるのは初めてという長沼さん。「大会で勝つのが絶対という時代ではない。技量もばらばらな子どもたち1人1人に、いかに寄り添っていくか。まずはテニスを楽しんでほしい」と語る。  部員たちにも話を聞いた。中学2年生の女子生徒(13)は「顧問の先生も忙しく、これまでは打ち方なども生徒同士で教え合っていた。コーチは全員のことを見て、アドバイスをくれるので上達できそうだし、安全面でも、コーチがいてくれた方が安心」と笑顔。別の女子生徒(13)も「コーチが練習を仕切ってくれ、自分のことに集中しながら効率よく練習できる」と話す。 教員の長時間勤務が背景 イメ―ジイラスト  地域移行導入の背景にあるのは、教員の長時間労働だ。埼玉県教育委員会が21年度に行った調査では、部活動の顧問を務める教員の平均時間外労働は、平日が2時間49分、休日は1時間29分。顧問を務めていない教員に比べ、平日は55分、休日は1時間11分長かった。顧問でない場合、4週間の合計時間外労働は、国が上限としている月45時間に収まっていたが、顧問教員は20時間以上、上回っていた。  背景には、給与の在り方も挙げられる。公立学校の教員には、残業代の代わりに月給の4%に当たる「教職調整額」を支給する制度が設けられている。支給額はいくら残業しても変わらない。休日の部活動に関しては、東京都の場合、1日3時間以上の活動で3000円の手当が付く。手当の仕組みは自治体によりけりだが、関東地方の女性教員は「通勤や準備の時間、さらに練習メニューを考える時間も含めると、休日1回の部活動で実質7時間以上費やすこともある」と話す。 [ad_2] Source link