JR東日本の深沢祐二社長は7日の定例会見で、新型コロナウイルスの感染拡大後、運賃収入が減少していることを踏まえ、運賃制度の見直しに向けた議論に着手する考えを示した。ラッシュ時間帯に運賃を高くするなど時間帯によって変更する運賃制度を選択肢の一つとして挙げた。同社が7日に発表した6月の鉄道営業収入は前年同月比43・5%減と大幅な減収が続いている。
JR東日本は、現在は時間帯ではなく、距離に応じた運賃制度を導入している。深沢氏は、一部の企業が定期代の支給をやめるなど新型コロナで通勤の在り方が変わってきていることから、「ダイヤや運賃を見直すためのチェックを進めている」と指摘。ピーク時に運賃を高くすることで、新型コロナ感染防止の混雑対策にもなる時間帯別運賃を検討する考えを示した。
時間帯別運賃が導入されるとラッシュ時間帯は現在よりも運賃が高くなる可能性があり、その場合は運賃の上限を変更するために国土交通省に対して鉄道事業法に基づく認可を受ける必要がある。そのため、JR東日本は、新運賃導入に向けた国交省との調整も必要となりそうだ。