マレーシア元首相に禁錮12年 政府系ファンドの資金流用事件





28日、判決後にうつむくマレーシアのナジブ元首相=クアラルンプール(共同)

 【シンガポール=森浩】マレーシアの政府系ファンド「1MDB」をめぐる資金流用事件で、首都クアラルンプールの裁判所は28日、背任や職権乱用などの罪に問われたナジブ元首相に禁錮12年と罰金2億1千万リンギット(約52億円)の有罪判決を言い渡した。ナジブ氏は無罪を主張しており、控訴する方針。

 ナジブ氏は首相退任後も政界で影響力を保っており、所属する政党「統一マレー国民組織」(UMNO)はムヒディン政権を支える与党連合の中核を担う。有罪判決でナジブ氏の求心力が低下すれば、政局に影響する可能性もある。

 ナジブ氏は、在任中に1MDBから45億ドル(約4700億円)以上の資金が消失した事件に関与したとして、資金洗浄罪など42件の罪で起訴された。28日はうち7件の判決が言い渡され、裁判所はナジブ氏側の主張は「不自然」などとして、全てを有罪とした。

 流用事件の発覚後、ナジブ政権は支持離れを招き、2018年の総選挙でマハティール前首相の政党連合が勝利する政権交代につながった。だが、今年3月に政党連合は分裂。下野していたUMNOが支援するムヒディン政権が発足した。



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