菅義偉首相が推進中である「行政手続きのデジタル化」に関して、韓国の事例を“見本”とするべきだという、日本の専門家の助言が出ている。
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朝日新聞は今日(21日)「デジタル庁のお手本は、日本を抜き去った韓国から学ぶこと」というタイトルの記事で、専門家たちの意見を引用して、日本が参考にできる事例をあげた。「行政手続きのデジタル化」とは、自治体間の情報管理・医療・教育など、部署間のデジタル業務を最大限 増やすことが目的である。
専門家たちは「日本のデジタル行政が、他国より遅れているという指摘がある」とし「過去の日本とほとんど同じ行政制度であった状態から、今はかなり先を進んでいる韓国から学ぶべきだ」と強調した。
日本情報技術(IT)研究機関“ジャパンデジタルデザイン(JDD)”の楠正憲 最高技術責任者(CTO)は「日本が参考にできる国は韓国と台湾であるが、人口面から日本と近い韓国が、より参考にすべき相手だ」と語った。
つづけて「韓国は日本と違って、中央・地方の官公署が共同情報システムを使用していて、新型コロナウイルス感染症関連の支援金も、スマートフォンで即時に送金される」と伝えた。
楠CTOは、“韓国の制度を真似ればいいのか”という質問に「簡単ではない」と答え「(北朝鮮との)休戦状態である韓国とは、個人情報を国家に委任することに対する考えに差がある」と語り、その理由をあげた。また「自治体で情報システムの基盤が一元化されていたり、中央に専門家集団を豊富に配置している点は参考となる」と提案した。
東京でITコンサルティング企業“e Corporation.JP”を運営しているヨム・ジョンスン代表も「韓国のデジタル行政が、日本より先を行っているのは確かだ」と語った。
ヨム代表は「2000年代初めまでは、韓国が日本を参考にする部分があったが、それ以降からはスピードが違ってきた」とし「韓国は全国の自治体に共通の情報システムを構築し、情報化振興院という組織を作り、法律・行政・医療・金融などの各分野の専門家500人を集めた。この組織が国家全般の情報化戦略を立てている司令塔だ」と説明した。