罰当たりな!「ご神体」無人島にごみ投棄 レジャー客増で 和歌山・鹿島


罰当たりな!「ご神体」無人島にごみ投棄 レジャー客増で 和歌山・鹿島

 和歌山県みなべ町沖にある無人島「鹿島」で近年、レジャー客のごみ投棄が相次いでいる。所有しているのは同町の鹿島神社で、島全体を「ご神体」として信仰の対象としてきた。過去には津波からまちを守ったと伝えられ、感謝の祭りが毎年開かれている神聖な場所なだけに、増え続けるごみに神社関係者は頭を悩ませている。【山口智】

 鹿島は同町の埴田(はねた)漁港から約1キロ沖合にある無人島。鹿島神社は渡船業者2社を通じて人が渡ることを許可しており、釣り人に人気のほか、レジャー客がキャンプやバーベキューを楽しんでいる。

 鹿島神社などによると、ごみが目立ち始めたのは約10年前から。砂浜にフライパンや調味料、空き缶などが捨てられている。ひどい場合はテントやテーブルなどレジャー用具を置いていく人もいるという。近年のキャンプブームの影響で3、4年前から島の利用者が急増したことも影響しているとみられる。

 亀井隆行宮司(47)らが2カ月に一度見回りしてごみを処分しているが、最近ではご神体の島の木を切ってたき火に使う人も現れた。さらに、水上バイクやボートで無断上陸して島で遊び、ごみをそのままにしていく人もいるという。

 市街地と遠洋の間にある鹿島は、宝永地震(1707年)や安政南海地震(1854年)の際、堤防の役割を果たしてまちを津波から守ったと伝えられている。鹿島神社は元々島内にあったが、1909年に現在の町内の場所に移された。

 ただ、鹿島には今も本殿が残り、毎年5月には沿岸のまちを守ってくれたことに感謝し、神社関係者と地元住民らが島内で祭りを開いている。亀井宮司は「鹿島は景勝地として素晴らしい場所で多くの人に満喫してほしいが、島自体が大事なご神体。レジャー客にはルールを守ってほしい」と訴えている。



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