福岡地裁
福岡県春日市の小児歯科医院で2017年、麻酔薬の注射後に適切な措置を怠り女児(当時2歳)を死亡させたとして、業務上過失致死罪に問われた歯科医師、高田貴被告(56)の公判が28日、福岡地裁(神原浩裁判長)であった。検察側は禁錮2年を求刑、弁護側は無罪を主張し、結審した。判決は3月25日。
起訴状などによると、当時院長だった高田被告は17年7月、山口叶愛(のあ)ちゃんの虫歯治療の際、別の医師に局所麻酔薬リドカインを注射させた。子どもに使用する際は注意が必要だったが、容体に異変が起きても疲労で寝ているだけと思い込んで救命措置を怠り、急性中毒による低酸素脳症で死亡させたとしている。
検察側は論告で「容易に気付く異常を見逃した」と主張。弁護側は「異常はなく、投与量から中毒は予見できなかった」と訴えた。