文化勲章の親授式が「文化の日」の3日、皇居・宮殿「松の間」で行われ、天皇陛下が彫刻の澄川喜一(きいち)氏(89)ら3人に勲章を手渡された。
出席した他の受章者は、日本文学の久保田淳(87)と工芸(人形)の奥田小由女(さゆめ、83)の両氏。脚本の橋田寿賀子(95)、物性物理学の近藤淳(90)の2氏は欠席。
新型コロナウイルス感染拡大防止のため、式では全員がマスクを着用。式に続き、澄川氏が代表で感謝の言葉を述べると、陛下は「くれぐれも体を大切にされ、今後もそれぞれの分野の発展のために尽くされますよう願っております」とねぎらわれた。
終了後、受章者は宮内庁庁舎で記者会見し、今回、夫で日本画家の故奥田元宋氏に続き、夫婦での受章となった奥田氏は、「人形は目立たない存在だが、この細い道を認めていただいたことに感謝しかない。これからも日本の良さが世界に発信できるように努めたい」と喜びを語った。
宮内庁によると、親授式から日を置き、天皇、皇后両陛下が受章者らを宮殿に招いて催される恒例の茶会は、新型コロナへの配慮から実施を見合わせた。