ドナルド・トランプ大統領(74)が初当選した2016年に注目を浴びた東京・大田区蒲田の賃貸マンション「トランプ・タワー」のオーナー小林章彦さん(72)が9日、ジョー・バイデン氏(77)の勝利宣言後も敗北を認めないトランプ氏に「撤退勧告」を出した。
【写真】蒲田の賃貸マンション「トランプタワー」
会社を経営している小林さんは、同じ経営者のトランプ氏を応援していたが、訴訟も辞さない姿勢を「武士らしく引き際は美しくした方がいい」と残念そうに話した。アメリカの26代大統領セオドア・ルーズベルトが新渡戸稲造の「武士道」に感銘を受けていたことを引き合いに「トランプさんの毅然(きぜん)とした態度はいいが、勝負はついたんだから。負けを認めた方がいい」と語った。
蒲田のトランプ・タワーはトランプ氏が大統領になるより前の14年に完成。京急蒲田駅から徒歩3分の13階建てで、カードのトランプのマークごとの枚数13枚にちなんだ。ニューヨークの「トランプ・タワー」とは関係ない。この4年間の入居状況について「ここを気に入ってくれる人がいて、建設した6年前からずっとほぼ満室。トランプさんの影響はないですよ」と語った。
バイデン氏に対しては「恨みもないし、応援もしている。ただ年齢的に大統領の激務はどうなのか」と懸念した。「バイデン・タワー」に名称を変更しないのかを問うと「そのつもりはないですね。もし変えるならば、バイデンさんの年齢の77階建てにでもするでしょう」と冗談めかして話した。【沢田直人】