政府の行政改革推進本部は14日、予算執行の無駄や事業の効果を点検する「秋の行政事業レビュー」の3日目の公開検証を行った。日本原子力研究開発機構が廃炉作業を進める新型転換炉「ふげん」(福井県)の使用済み核燃料のフランスへの搬出に関し、再処理後のプルトニウムの扱いや費用総額が不明瞭だと指摘し、同機構を所管する文部科学省に見直しを求めた。
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同機構は、ふげんからの使用済み燃料の再処理を仏の企業に委託する方針で、2018年に準備のための契約を133億円で締結している。公開検証では、日本のプルトニウム保有量に対して国際的な懸念があることも踏まえ、仏企業との契約解消や燃料の国内貯蔵などに言及したうえで「より安全でコストの低い方策を求めるべきだ」として見直しを求めた。文科省の担当者は「相当な影響がある。政務(三役)と相談したい」と述べ、萩生田光一文科相らと対応を協議する考えを示した。
河野太郎行政改革担当相はふげんについて、プルトニウムの取り扱い方針などを説明するよう要求。「今の段階で申し上げるのは難しい」と釈明する担当者に対し、「難しいなら予算はつけられない」と語気を強める場面もあった。
この日は航空自衛隊F2戦闘機の後継となる次期戦闘機の調達など6分野について議論。次期戦闘機については「国民に開発の進捗(しんちょく)状況の情報開示を行う必要がある」との意見をとりまとめた。前防衛相の河野氏は予算削減は求めなかったが「自衛隊の陸海空の人員、予算をしっかり見直さなければ安全保障の議論はできない」と指摘した。【田辺佑介】