ポケモンGOイベント、京都で開催へ コロナ拡大、「密」懸念で出現場所配慮


ポケモンGOイベント、京都で開催へ コロナ拡大、「密」懸念で出現場所配慮

 位置情報を利用したスマートフォンゲーム「ポケモンGO(ゴー)」の地域限定リアルイベントが22日、世界4都市で開かれることになり、日本で唯一、京都市が対象となった。過去のリアルイベントでは全国から多くのプレーヤーが開催地を訪れており、コロナ禍で落ち込む観光需要への期待も高まる。一方、全国的な新型コロナウイルスの感染者数の急増で「第3波」の到来も指摘され、京都市は期待と不安を抱えて開催を迎える。

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 ポケモンGOは、スマホ画面の地図に現れるポケモンを捕獲して集めるゲーム。地図は現実世界に対応しており、プレーヤーは実際に歩かないとポケモンを探せない。世界各地で大ブームとなり、日本では2016年7月に配信が始まった。

 ◇22日世界4都市で

 イベント名は「ポケモンGO シティースポットライト」。新型コロナの感染拡大後、初のリアルイベントとなる。運営する米ナイアンティック社の発表によると、京都と釜山(韓国)、オークランド(ニュージーランド)、台南(台湾)の4都市で22日午前10時~午後6時に開催される。4都市が選ばれたのは、新型コロナの感染状況などが考慮されたという。

 実際に現地に行かなければ参加できないリアルイベントは集客力が強く、17年11月に鳥取砂丘で開催されたイベントには、3日間で想定を大きく上回る約8万9000人が参加し「渋滞やシャトルバスの行列待ちなどが発生した」(鳥取県)。17年8月に横浜市であったイベントでは7日間で参加者が200万人に上った。

 全国有数の観光都市でもある京都。政府の観光支援策「GoToトラベル」などで観光需要は徐々に戻りつつあるが、9月の市内の主要ホテルの客室稼働率は33%にとどまるなど苦境が続く。門川大作市長は「安心安全で持続可能な観光に取り組んでいる京都市としても、大いに歓迎する。参加者の皆さんにはポケモンGOと合わせ、美しい秋の京都を満喫してほしい」と歓迎のコメントを出した。

 一方、新型コロナの感染者数は全国各地で再び拡大傾向にあり、京都府でも1日当たりの感染者数が2桁となる日も珍しくない。紅葉シーズンを迎え、GoToなどで観光客の姿が目立つようになる中、3連休中の開催は「密」を招く可能性も懸念される。

 ポケモンGOの公式ホームページによると、今回のイベントの対象は「都市に在住しているトレーナー(プレーヤー)」で、京都に住んでいない人は「参加できない」。ただ、ポケモンGOには住所を確認する機能は無く、イベントの時間帯に京都にいる人であれば無料部分には事実上参加できるとみられ、各地から人が集まる可能性もある。

 ◇「ソーシャルディスタンス保ちつつ探索を」

 ナ社は発表で「(プレーヤーには)ソーシャルディスタンスを保ちつつ、探索してもらう」と強調。市は感染拡大を防ぐため、ポケモンが出現する場所が特定の箇所に偏らないよう、ナ社と事前に協議をしたといい、市幹部は「特定の場所に集中すると『嫌だな』という気はしたが、配慮はされている」と明かす。

 市でコロナ対策を担う部署の幹部は「京都市で観光客を契機としたクラスター(感染者集団)は発生していない」としたうえで「結局、参加者がマスクなど基本的な予防策を徹底するかに尽きる。体調が悪い場合は貴重なイベントだとしても無理をしないで」と呼び掛けた。【小田中大】



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