ニューヨーク(CNN Business) 米空軍のパイロットとして史上初めて超音速飛行を成功させたチャック・イェーガーさんが死去したことがわかった。97歳だった。
イェーガーさんの2番目の妻のビクトリアさんが7日、CNNに対して確認した。
友人のジョン・ニコレッティさんによると、イェーガーさんは数年前から体が不自由となり、転倒事故の後には高齢も重なり合併症や他の症状が生じるようになった。自宅はカリフォルニア州北部にあるが、ロサンゼルスの病院で亡くなったという。
大リーグの試合が行われたフィラデルフィアの球場で栄誉が称えられたチャック・イェーガーさん=2018年6月14日/Andy Lewis/Icon Sportswire via Getty Images
イェーガーさんは1947年10月に「ベルX―1」で音速の壁を超えたが、そのことは1948年まで公表されなかった。
イェーガーさんの偉業は後世代の人たちの心をつかみ、書籍や映画「ライトスタッフ」(1983年)でも取り上げられた。
イェーガーさんは1923年、ウェストバージニア州で生まれた。18歳で空軍の前身となる陸軍航空隊に入り、第2次世界大戦にパイロットとして従軍。64の作戦に参加し、ドイツ軍の飛行機13機を撃墜したという。
1947年にロケットエンジンを搭載したベルX―1でマッハ1.06に到達し、史上初めて音速を超えた。
「ベルX―1」の飛行の様子/Bettman Archive/Getty Images
75年に退役するまでに様々な軍用機に乗り、そのタイプやモデルの数は361にも及んだ。飛行時間は1万131.6時間で、退役時の階級は准将だった。
45年に結婚した最初の妻グレニスさんとは90年に死別。その後、2003年にビクトリアさんと再婚していた。