(CNN) 米カリフォルニア州サンフランシスコで17日、75歳のアジア系の女性が見知らぬ男に顔面を殴られて反撃したと訴えている。警察は女性が理由なく暴行された事件とみて調べている。
「彼は年寄りをいじめるの」「だからパンチをくれてやった」。被害者のシャオ・ゼン・シーさんは事件後にCNN提携局KPIXが撮影した映像の中でそう語った。
サンフランシスコ警察は、これとは別の事件で83歳のアジア系男性を暴行したとされるスティーブン・ジェンキンズ容疑者(39)を拘束した。同容疑者がシーさんを殴ったのは、警備員に追いかけられている時だった。
警備員は同容疑者を取り押さえて警察に引き渡した。
映像には顔に氷を当てたシーさんの周りに警官や救急隊や見物人が集まる様子が映っている。
シーさんは泣きながら、担架に手錠でつながれて手当てを受けている男を指さして、広東語で「彼が私をいじめた」と叫んでいた。
警察によると、ジェンキンズ容疑者はこの事件とは無関係の病状のために病院に運ばれた。女性がけがをさせたわけではないとしている。
同容疑者は2件の暴行や高齢者虐待の容疑で拘束され、サンフランシスコ拘置所に勾留されている。
被害者は2人とも病院で手当てを受けたが、命に別条はなかった。警察は、事件の動機に偏見があったかどうかを調べている。
シーさんは信号待ちをしていた時に暴行され、見つけた棒を使って身を守ったと話している。相手は知らない男だったという。
シーさんは26年前からサンフランシスコに住んでいた。娘のリーさんによれば、17日夜も左目からの出血が続き、左目で物を見ることができない状態だという。