
(写真:読売新聞)
新型コロナウイルスの感染状況を分析する厚生労働省の助言機関は2日、今月1日までの1週間の新規感染者数は全国で前週の1・5倍と拡大が続いているものの、増加スピードには鈍化傾向がみられるとの見解をまとめた。年代別にみると、10歳未満の増加が目立つと指摘している。
会合で示された大阪府のデータによると、18歳以下の新規感染者数は、1月10日までの1週間では500人余だったが、31日までの1週間は1万7000人強に急増した。全感染者に占める割合も3割弱まで上昇している。
全国でも、学校や保育園などでの感染拡大が目立っている。厚労省によると、23日までの1週間に全国で発生したクラスター(感染集団)の件数は837件。場所別では、学校・教育施設が300件と最多。児童福祉施設が150件と続き、高齢者施設の112件や飲食店の67件を上回った。助言機関は「教職員へのワクチン接種の推進やリモート授業などで教育機会を確保する必要がある」とした。
また、いち早く感染が拡大した沖縄県では、若年層を中心に感染者数は減少しているものの、70歳代では増加が継続。入院するケースも目立つ。今後、他の地域でも同様に、高齢の感染者や入院が増える可能性があるとしている。
健康観察 省力化…尾身会長ら提案
政府対策分科会の尾身茂会長ら専門家は、オミクロン株の感染拡大時に、重症化リスクの低い感染者の健康観察を省力化することを提案した。保健所や医療機関の負担を減らし、重症者に適切に対応できる体制を確保する狙いがある。
具体的には、〈1〉中等症以上〈2〉50歳以上または5歳以下〈3〉妊婦〈4〉肥満や持病がある――など、重症化リスクの高い人を除き、健康観察などを省力化する。民間検査で陽性と判定された人についても、7日間の自宅療養を推奨し、症状が悪化した時のみ、本人から連絡して健康観察を行うとした。