吉野家の牛丼(公式サイトからhttps://www.yoshinoya.com/menu/gyudon/gyu-don/)
牛丼チェーン「吉野家」の客対応をめぐり、先日からネット上で問題視する声があがっている。同社の「お客様相談室」とのやりとりが晒され、「まとめサイト」まで乱立している状態だ。批判をどう受け止めているのか、吉野家に聞いた。
●コラボキャンペーンで数日前に謝罪
吉野家といえば、漫画『魁!!男塾』とのコラボキャンペーンをめぐり、3月24日に謝罪したばかり。
来店数に応じてもらえる「名前入りオリジナル丼」の「実名に限る」ルールが告知不十分なまま設定されたため、批判があがったことから、吉野家は条件付きで実名入りへの変更を発表、謝罪した。
実名限定のルールを問い合わせた人に対して、お客様相談室の室長が「法務局にご相談されてはいかがでしょうか」などと対応したことが判明し、ネット上で炎上していた。
●動画音声での暴露までされてしまった
お客様相談室、特に室長の対応をめぐっては、ネーム入り丼の件だけでなく、「高圧的」という指摘がネット上で見受けられる。
室長のものとされる対応事例を紹介する「まとめサイト」まで乱立している状態だ。なかには、室長から「2度と吉野家に来ないでください」と電話で言われたという動画までアップされている。
弁護士ドットコムニュース編集部では、動画が事実か、室長の態度への批判についての受け止めも問い合わせた。
「動画の存在は当社でも確認しております。個別のお客様とのやり取りについてはお相手様のお考えやご事情もあることですので回答は控えさせていただきます。
お客様相談室の対応に関してお客様にご心配をおかけしたことをお詫び申し上げます」(吉野家)
●室長は実在しない?「偽名」「架空の人物説」が…
さて、その手法の是非はさておき、企業の対応を問題視した利用者が、ネット上で問題を「告発」する手法は珍しいものではなくなった。一個人のツイートが、企業の信頼を大きく損なわせることもよくある。
ただ、その矢面に立つ「お客様相談室」で働く人たちの名前が、実名とともにネットでさらされてしまうこともある。無理筋なクレームをつける「カスタマーハラスメント(カスハラ)」も社会問題となった。そこで、接客業などでは誹謗中傷を避けるため、名札をつけない動きもあがっている。
ネット上では、実名での批判を避けるため、吉野家の室長は「架空の人物」なのではないかとする説や、偽名説まで浮上した。
そこで、この室長が吉野家で実在の人物であるか尋ねた。
吉野家は「これまで社内の社員情報や人事情報を開示することはしておりませんが、一部SNS上で言及されていることもあり、本質問についてのみは例外的に回答いたしました」としたうえで、「お客様相談室の室長を務めております」と答えた。
吉野家ではこれ以上の炎上を懸念している。当事者でない者が、ネット上で執拗に個人攻撃を加える場合、不法行為になりうる場合もあるので注意だ。
弁護士ドットコムニュース編集部