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山梨県道志村の山の中で、人の骨が発見された。現場近くでは、3年前、当時1年生の小倉美咲さんが行方不明になっている。警察は、人骨のDNA鑑定を実施し、人骨について身元の特定を急ぐ方針だ。
【画像】小倉美咲さんが行方不明になったキャンプ場の近くで人の骨が。警察による捜索活動が続く(画像7枚)
見つかったのは子どもの骨か
美咲さんは、2019年9月、家族や友人らとともに訪れていた道志村のキャンプ場から行方不明になった。その後、美咲さんの家族や県警、ボランティアなどが、何度も捜索を行ってきた。母・とも子さんも懸命に、情報提供を続けてきた。しかし美咲さんは、未だに見つかっていない。
今回、人骨が見つかったのは、そのキャンプ場から東に600メートル離れた林道だった。今月23日、これまでも捜索に協力してきたボランティアの40代の男性が、斜面にあるのを見かけたという。隠されているような形跡はなかったとのこと。
男性は、その際は、気にとめなかったが、人の骨かもしれないと思い直し、25日になって山梨県警に届け出たそうだ。見つかったのは頭の骨の一部で、骨の形状から大人のものより小さく、子供の可能性があるとのこと。
突然、人の骨が見つかったワケ
現場周辺は、美咲さんの関連で、何度も、捜索が行われてきた場所だ。なぜ、突然、人の骨が見つかったのか。実は、山の中から、突然、遺体や人骨が見つかることは珍しくはない。行方不明者、遭難者、自殺者の遺体が、落ち葉に覆われたり、土砂に紛れていたものが、時間が経つにつれて、雨・風の影響で、外に出て来たり、流されたりするのだ。
また動物が、偶然、運んでくることも考えられる。現在、山梨県警は、他にも人の骨がないのか、身元の特定につながるような遺留品はないのか、40人体制で周辺の捜索を実施。また人骨のDNA鑑定を行い、身元の特定を急いでいる。美咲さんとの関連も調べることになる。
人骨のDNA鑑定は、当然、可能だ。一方で、骨の保存状態などによっては、試料の抽出が困難なケースもある。血液や体液、毛髪などと比べて、骨のDNA鑑定はハードルが高いとされる。今回の人骨について、ある捜査関係者は「骨は難しいので、時間がかかるかもしれない」と話している。一両日中に結果が出るのは困難な見通しだ。
日本のDNA鑑定技術で「万全尽くせ」
ただ、東日本大震災では、海の中で見つかった小さな骨から身元が特定されている。現在、第二次世界大戦の戦没者の遺骨について、DNA鑑定も進められているほどだ。何より、拉致問題をめぐって、北朝鮮から提出された”焼かれた”骨を、横田めぐみさんのものではないと見破ったのも、日本のDNA鑑定技術だった。
きのう、美咲さんの母・とも子さんは取材に対して「娘の足でそこまで行くのは不可能だと思うので、美咲ではないと思っています」との心情を吐露していた。今回、見つかった骨が、誰のものか分からなかったと言う結論にならないよう、警察当局には、身元特定に最善を尽くして欲しい。
社会部,平松秀敏