知床遊覧船の事務所に入る海上保安庁の職員ら(2日午前9時45分、斜里町で)=松本拓也撮影
知床半島沖で乗客乗員26人が乗った観光船が沈没した事故は2日、第1管区海上保安本部(北海道小樽市)が運航会社「知床遊覧船」(斜里町)の事務所などを捜索し、発生から10日目にして責任追及の動きが本格化した。知床の観光関係者からは、事実の解明で観光地としての信頼回復を期待する声が上がった。
知床遊覧船の事務所には2日午前9時45分頃、雨が降りしきる中、第1管区海上保安本部の職員らが段ボールなどを抱えて捜索に入った。午後1時半頃と午後7時半頃の2度、桂田精一社長(58)も事務所を訪れた。1管の捜査に応じていたとみられる。桂田社長は報道陣の質問には一切答えなかった。
捜索は10時間余りにわたり、午後8時頃、捜査員約10人が段ボール約10箱を抱えて車に乗り込み、事務所を後にした。
この日は、桂田社長の複数の関係先にも国土交通省職員らが出入りし、町内は物々しい雰囲気となった。