「無経験で高収入」実は東南アジアへの人身売買。台湾や香港を震撼させた詐欺の実態とは


「無経験で高収入」実は東南アジアへの人身売買。台湾や香港を震撼させた詐欺の実態とは

カンボジアから帰還した台湾出身者(台湾内政部の公式Facebookより)

そんな甘い言葉でカンボジアやタイなどの東南アジアの国々へ誘い寄せられ、詐欺行為への加担を強要されるといった被害が台湾や香港などで相次いでいる。

詐欺グループへの加担を強制

台湾内政部や香港政府の発表を総合すると、手口はこうだ。まずネット上に「海外で働きませんか」という趣旨の広告を掲載する。英語力や特別な経験は一切必要なく、しかも高収入だと謳う。興味を持って連絡すると、ビザ申請や滞在場所の確保なども代行してくれ、飛行機代もタダだという。しかしいざ現地に着いてみればパスポートを取り上げられ、詐欺行為に従事させられる。

台湾内政部によると、まず詐欺の手法を教え込まれ、「台湾訛りで電話をしたり、メッセージを送ったりして、友人や知り合いを東南アジアに誘い寄せる」ことなどを強要されるという。現地では劣悪な環境に置かれ、暴力や性的暴行を受けることもあるという。

実際に騙されてカンボジアに飛んだあと、香港へ戻ったという男性は現地ネットメディア「香港01」の取材に対し「パスポートを取り上げられ、車でシアヌークビルへ連れて行かれた。詐欺だと気づいたので車を飛び出し逃げた」と話した。別の男性は3ヶ月間ミャンマーに留め置かれ、多額の借金を返済するまで離れることはできないと通告されたという。

救助と摘発が進む

このうち内政部が公表している事例では、「月収5万~10万台湾ドル(約22万7500円~45万5000円)稼げる」という謳い文句で数百人を東南アジアに呼び寄せ、200万台湾ドル(約9000万円)を儲けていたとみられるという。

香港でも対策に乗り出していて、現地メディアによると、22日までに確認された被害者37人のうち、11人がすでに戻ったという。香港政府は電話やメッセージアプリにホットラインを開設して被害情報の収集を進めている。



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