3日、米ウィルクスバリで演説するトランプ前大統領(ロイター)
【ウィルクスバリ(米ペンシルベニア州)=田島大志】米国のトランプ前大統領は3日、フロリダ州にある邸宅が連邦捜査局(FBI)の捜索を受けた後、初めて演説し、FBIを「悪質な怪物だ」と批判した。トランプ氏を「国に対する脅威」と呼び、対決姿勢を強めるバイデン大統領に対しても、「彼こそが国家の敵だ」と反論した。
トランプ氏は、11月に行われる中間選挙の共和党候補者の応援として、ペンシルベニア州ウィルクスバリで約2時間演説した。
FBIは、機密文書がトランプ氏の邸宅「マール・ア・ラーゴ」に持ち出された疑いがあるとみて捜査している。トランプ氏はFBIについて、「急進左派の悪党らに支配されている」と主張した。バイデン政権に対しては「最大の政敵の家にFBIを送り込んでいる。正義の茶番劇だ。このひどい法律の乱用は、誰も見たことのない反発を生むだろう」と警告した。
米紙ウォール・ストリート・ジャーナルが1日に発表した世論調査によると、FBIによる捜査が「合法で適切だ」と答えたのは52%だった。共和党支持者を中心に41%は「トランプ氏に対する魔女狩りだ」と回答した。
この日の演説でも、トランプ氏が捜査に触れると、聴衆から大きなブーイングが上がった。メリーランド州から来た造園業ウェズリー・サンゾンさん(45)は「全ての文書は法廷に戻されるのだから実害はない。ホワイトハウスをバックにした完全に政治的な捜査だと思う」と語った。